イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

今まで日本でもいくつかのブランドがトゥールビヨンウォッチを販売してきた。
有名なのが、京都にて創立した「Voltex Watch」の「Technotime SA」のエボーシュ(ムーブメントの供給)によるオリジナルウォッチ「Tourbillon Vertica」であろう。(画像1)エボーシュとは言いながらも、その完成度はかなりのモノだ。
27石、ツインバレルによるパワーリザーブ120時間、振動数は28800bph。
ケースはスターリングシルバー製、ケース径41mm×ケース厚13.1mm。文字盤はエナメル(スイス、ル・ロックルにて製作依頼)で、かなり存在感のある時計だ。価格は\4,725,000。

また中国「SEA-GULL」社製フライングトゥールビヨンが最近流行している。
何処ぞの有名時計デザインを真似た時計を専門に販売する様なブランドの最高級品として、このフライングトゥールビヨンをよく見掛けるのだ。
それらはイマイチ信頼性が無いのだが、それをVoltex Watchや「Kentex」等では有る程度ブラッシュアップして販売している様だ。(その分価格は高くなっている。)

昔はスイスでもトップクラスの実力を持つ老舗数社しか製作出来なかったモノだ。価格が1000万越えというのは伊達では無い。

そういう意味ではSEA-GULL社製のフライングトゥールビヨンは価格的に魅力だ。安いモノでは10万程度で手に入り、ブラッシュアップされたVoltex Watchの「VWT-002」(画像2)で\756,000、Kentexの「CLASSIC3」(画像3)はレトログラードデイデイトが付いて\577,500という価格であり100万以下で購入が可能となっている。


しかし、今紹介したトゥールビヨンは全てエボーシュである。ムーブメントを購入してオリジナルの時計を作っているに過ぎない。それ程の難度の時計がトゥールビヨンであり、複雑時計の代名詞と言われる由縁だ。
では、日本で完全に創られたトゥールビヨンの存在は無いのだろうか?

私が知る限り1つだけである。それが今回紹介する「浅岡肇」というプロダクトデザイナーが手掛けたトゥールビヨンである。
彼は、殆どのパーツを自分で製作しトゥールビヨンを完成させた世界でも数少ない人物の一人である。独立時計師として名を轟かす者達でさえ、時計の部品の殆どを一人で製作出来る人物は限られている。しかもトゥールビヨンとなると‥間違い無く世界の頂点に立つ一人である。
しかもこの浅岡肇氏は、時計師では無い。あくまでデザイナーなのである。
デザイナーとして活躍していた彼は、時計デザインの仕事等で時計作りに興味を持ち、培ったCADとCNCの技によって、1作目にしていきなりトゥールビヨンを完成させてしまったのだ。
勿論加工精度も極めて高く、精度も安定している。

この1作目であるトゥールビヨン「癸院廖焚菫釭粥■機2菫釭瓦魯燹璽屮瓮鵐函画像5は完成形。)は、ツインバレルの18000bph、ケース径39mm×ケース厚9mm。27石、パワーリザーブ42時間。
残念ながら試作モデルでも有り、販売については現在の所不明らしい。価格も当然不明だが、画像5の文字盤には「001/003」と書かれている。この時計は3本製作されるのではないだろうか?

また、既に「癸押廚寮什遒鮓‘い靴討り、こちらはシングルバレルになるという話だ。私の予想では癸欧らが本格的な時計師としての作品となり、一般販売も視野に入れるのではないだろうか?

そのトゥールビヨンの動きは、http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=Prixmuu7q_Q から見る事が出来る。
世界中で浅岡肇氏のトゥールビヨンが話題になる日もそう遠くは無いだろう。
個人製作故、数を作るのは不可能である。貴方も完全ジャパンメイドのトゥールビヨンを手に入れたいなら、チャンスはまだ販売が確定していない今かもしれない。