最近では、事件の裏に何かと漫画やアニメを持ってきているので、日本では悪いイメージが先行しているが、果たしてそれは漫画が原因なのだろうか?
よく考えてみて頂きたい。では、任侠映画や暴走族の映画、果てはマフィアの映画がOKなのは?発展すると私の好きな「007シリーズ」等自己の正義の為に人を殺めるの映画は?
何が漫画と違うのだろうか。
私は漫画が悪いのではなくその環境に問題が有ったのだと思う。漫画が好きな者が犯罪を犯しているのではなく、コミュニケーション不足から漫画等の世界に入り浸らざるを得なかった者が犯罪を犯してしまうのではないだろうか?
社会は問題を漫画にすり替えてしまっているだけだ。漫画が悪と片付ければ済むが、本当にそれが真実か?
今は犯罪抑制の為に性描写や暴力描写等を規制する動きが盛んだが、それもどうかと思う。逆に規制をする事で、今までは漫画を読んでストレスや性衝動等を発散してきたモノを社会に向ける様になる事だって有りうる。
私は漫画好きだしその影響で犯罪を犯そうとは思わない。もし私が社会に大きな犯罪を犯すなら、漫画の影響ではなく今までの自分の我慢や忍耐といった精神面の成長を行えなかった環境の所為であろう。
日本ではまるで漫画は悪と言っている様なモノだが、では世界から見て日本の漫画はどう映っているのか?
実は世界では驚く程漫画に対しての評価が高い。
計算されたコマ割と表現技法も相俟って、日本の文化と認識されており「Manga」という単語で意味が通じるのだ。
アニメにしても「ジャパニメーション」と言われる程日本のアニメは世界でもその技術を高く評価している。
そんな中、今回紹介するのが「OMAS」の万年筆である。
OMASはアルマンド・シモーニが1917年にイタリアのボローニャで創業した設立した筆記用具ブランドである。「OFFICINA MECCANICA ARMANDO SIMONI」つまりアルマンド・シモーニ技術工房の頭文字をとってOMASとなった。斬新な素材や、独特な形状を持つ万年筆が特徴で、中でも3角形のフォルムを持つ「360」と8角形のフォルムを持つ「THE PARAGON」が非常に有名だ。(私は「HARMONIA MUNDI」と言う限定モデルを購入するか悩んでいた。現在は完売している様だ。)
そのOMASが、日本の漫画の文化に感銘を受けて創作した限定万年筆が「Miku」。
漫画的な女性キャラクターを軸に描いた珍しい万年筆である。
実はヨーロッパブランドでは日本や中国等の文化を万年筆の軸に反映させる事が多い。蒔絵や漆、螺鈿等の細工もそのひとつである。焼き物では「chinoiserie(シノワズリ)」という中国文化を想像したモノも多い。
その伝統工芸に使われる「絵」と同等に漫画の「絵」も日本の文化として多大な評価を受けた事になる。
Mikuはアルマンド・シモーニの孫であるジャンルーカ・マラグッティとイタリアで活躍している日本人の漫画家によって描かれ完成したモデルだ。
ブルーエナメルの中に描かれたセクシーな格好の女性が一際目を惹く。この女性がMikuだろうか?
405本限定モデルで素材はスターリングシルバー製。(内40本が18Kゴールドのモデルとなる。尚デザインは同一。)
18Kゴールドのペン先にもこのキャラクターの顔が描かれている。
価格はスターリングシルバー製で\262,500。(18Kゴールドは不明。)
初めて見た時は、違和感が有った万年筆だが、よく見るとエナメルの美しさやイラストのバランス、ヨーロッパで好まれるセクシーな女性(あちらではエロティックオートマタやエングレーブ等が人気。「東京旅行15」の投稿参照)と、なかなかツボを押さえたモノになっているのだと思う。軸色がブルーなのも日本のイメージなのかもしれない。
画像は、
Miku本体(スターリングシルバー)
Mikuイラスト
Mikuペン先
Miku飾り箱
Mikuスターリングシルバーと18Kゴールド比較(上18Kゴールド、下スターリングシルバー)
貴方もMikuを手に取り、もう一度文化とは何か、漫画とは何かを見つめ直してみてはどうだろう?
日本の世界に誇る事が出来る文化であり、且つ新たなマーケットでもあるであろう漫画。海外の筆記用具ブランドに既に先を越されているという事実を認め、一層の発展に尽力して欲しいと思う。
そして、日本国内の「漫画は悪」という間違った思想を「漫画は新たな文化であり芸術」だと改めさせなくてはならないだろう。それが豊かな日本を築くにも一役買う筈だ。