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久しぶりに雑貨について。
我が家には「ガリレオ式温度計」が有るというのは、何度かブログで述べた。
しかし、ブログでは取り上げていなかったので、今回は、ガラス雑貨を2つ取り上げてみる事にした。

一つ目はそのガリレオ式温度計である。(画像1)
私の家のモノは「TFA Dostmann」というブランドの品だが、かなり小型で18℃~26℃までしか測定出来ないというあまり役に立たない温度計だ。
因みにTFA Dostmannはドイツの温度計を中心に製作しているブランドである。

ガリレオ・ガリレイが発見した、液体の比重(密度)が温度によって変化するという「比重測定原理」を利用しているこのガリレオ式温度計は、中に漂うガラスの球で大体の温度を計測する事が出来る。
球体は、温度が変わっても体積・重さが殆ど変化しないが、ガラス管の内部の液体である炭化水素溶液は、温度によって比重が変化する。
温度が上昇すると炭化水素溶液の比重が軽くなる為、必然的に内部の球が重くなった状態になり沈む。温度が下降すると、今度は炭化水素溶液の比重が重くなる為、球が軽くなった状態となるので浮かぶ。
私の家のモノの場合は温度差によって5つの比重の球が入っている。全てが浮かべは18℃以下、全てが沈めば26℃以上。その間は一番上に沈んでいる球が現在の温度である。また、一つの球が沈み切らずかと言って浮かび切ってもいない中途半端に漂っている状態はその球の温度+1℃と考える。

涼しげで、可愛らしくもあるが、冬は常に全てが浮かんでおり、夏は常に全てが沈んでいる。これが動き始めたら、何となく春や秋が来たと感じられる。

もう一つは「CIPIN」というブランドが手掛けたラジオメーターである。(画像2)
CIPINは、ドイツのガラス工芸ブランドである。ガラス細工のオーナメントやオブジェ等を手掛けているが、中でも最もCIPINの名を世に知らしめている商品はガラスペン(ガラス製の付けペン)とこのラジオメーターであろう。

さて、ラジオメーターとは何か?
簡単に説明すると、光を当てる事でガラス内のミルと呼ばれる片面が黒い板、反対の面が銀の板で作られた羽車が動く(回転する)モノで、この品は完全なインテリア商品である。(画像3の方が見易いので参考にして頂きたい。)

光を当てただけで回るというとても不思議なインテリアだが、元々は実験装置なのだ。
1875年、イギリスの物理学者クルックスが気体分子理論を説明する為の非常に単純な実験装置として登場した。
ガラス球内は減圧されている為、空気抵抗が小さくなっており、微少な力でもミルが回転出来る様になっている。
ミルの黒い面は銀の面より光を吸収し熱に変換する。衝突してくる空気分子はその熱エネルギーを奪い、加速して反射する。その瞬間、反作用によってミルを押す事になるので見た目には、光を当てると羽車が回転する様に見えるという事らしい。
この暖められた面と周囲の気体との相互作用で生じる現象がラジオメーター効果と呼ばれる。ここら辺はさっぱりなので、この効果が何を齎し、また何に利用されているかはよく解らない。

兎も角、光を当てるだけで、ガラス内の羽車が回るという点に惹かれて購入した商品だ。

どちらも繊細なガラス工芸の技術を要する品である。どちらもドイツの製品というのも面白い。
今日も浮沈し回転している事だろう。