自動巻き機構を開発したPERRELETの祖アブラハム・ルイ・ペルレに因んで、レディースを含め全てのモデルが自動巻き機構を採用している。(よって、勿論全て機械式時計で更に全てシースルーバックである。)
BIG SIZE CENTRAL LUNAR PHASEの投稿で、「DOUBLE ROTOR」という時計について少々触れた。PERRELETを語るに無くてはならない時計である。
DOUBLE ROTORはPERRELETのシンボルとも言える自動巻き機構の要である錘「ローター」を文字盤側にも設けたモデルだ。
必要無いと思うが簡単に自動巻き機構の説明を。
ローターと呼ばれる錘は、中央で歯車に固定されており、クルクルと自由に回転する様になっている。この歯車とゼンマイを巻き上げる機構がリンクしており、ローターが回る事でゼンマイを巻き上げる事が出来る。
錘なので、ローターは常に重力に引かれ下方に移動する為、腕に付けていると、時計は様々な姿勢に向きを変える為、ローターの位置が移動し、ゼンマイを巻き上げるという仕組みだ。これを1770年にアブラハム・ルイ・ペルレが発明。しかし、当時は懐中時計であった為、持ち歩いても、十分な巻き上げ効率が無かった。それをアブラアン・ルイ・ブレゲが改造、懐中時計用自動巻き機構「ペルペチュアル」を発明する。
そして、腕時計が主流になり、再びペルレの自動巻き機構が復活し現在、時計ブランドの殆どでローターが使われている。
PERRELETは祖の発明であるというシンボルを表現すると同時に、他の時計ブランドに無い唯一のデザインとして、そして自動巻き機構の巻上げ効率を高める為に、文字盤にもローターを配置、シースルーバックから覗く背面のローターと合わせて2つのローターを持つDOUBLE ROTORを1995年に発表した。
いくつかのモデルが作られ、文字盤にローターが有る時計=PERRELETという図式が成り立つまでに至った。
そして2008年、レディースモデルにDOUBLE ROTORの新作が発表された。それが「DIAMOND FLOWER」である。
シンボルであり、デザインであり、実用機構であったDOUBLE ROTORはDIAMOND FLOWERになった事で、更にギミックとして、装飾としての華やかな美しさを齎したのだ。
ダイヤモンドやルビーをセッティングされたローターは文字盤のデザインと合わせ、花(ロータス)の形をしている。この花が文字盤をクルクルと回り、セットされた宝石は回転に合わせてキラキラと輝く。また、文字盤の花弁はインデックスになっており、ポインターインデックスの無い時間を指す様に花弁が配されている。無論、シースルーバックのムーブメントも丁寧な仕上げで美しく装飾がなされており、表も裏も楽しめる品だと思う。
ケースサイズは38mmでレディースとしては少し大きいが、ラバーストラップとのマッチングも良く、エレガントながらスポーティさも合わせ持っている。その為TPOはかなり幅広いと思う。
BIG SIZE CENTRAL LUNAR PHASEのレディースと同様にディプロイメントバックル、サファイアカボション竜頭も採用されているのも嬉しい。
ダイヤモンド等の宝石の数や素材で値段は変わるが‥
ケースにSS、ベゼルにYG、表ローターにダイヤモンドをセットしたモデルは\892,500。
ケース及びベゼルにSS、ベゼルにダイヤモンド、表ローターにダイヤモンドとルビーをセットしたモデルは\997,500。
となっている。
DIAMOND FLOWERの画像を3つ投稿するが、他にも淡いブルーダイヤルにシルバーのローターのモデル、ブラウンの文字盤にゴールドのローターのモデルが有る。(素材はSS、YG、SSとYGのコンビが有る。)私は画像3が一番好きである。紹介用のURLをリンクしておこう。http://www.jurawatches.co.uk/swf/diamond-flower.html である。
可愛らしいが、大人の気品溢れるPERRELET。老舗の技が光る。初めての機械式時計という点でも非常にオススメだ。個性を大切にし、モノを見る目が確かな女性には是非とも選んで頂きたい。きっと時計好きの男性の目もクルクルと回る花の馨りに誘われ、貴女のセンスとその美しい手に心奪われるだろう。