


今回は比較的リーズナブルな品で済んだ。尤も、嫁より私の方が品物に煩いので、私が選ぶ方が値段が高くつくのだが。タイトルどおり化粧品となった。
「YVES SAINT LAURENT」のクリスマス限定の「Love Collection "Lip Make-up Pallet"」。(画像1)
外観はメタリックで、私の好きなハート型のペンダントのようなアクセサリーである。心臓が大動脈弓にぶら下っているように、このハートの上にも「YSL」と書かれた管がある。その管に赤い紐が取り付けられてペンダント状になっているのだ。さながら血管であろうか?
右心側には4つ、心尖に1つ赤い「SWAROVSKI」のクリスタルが埋め込まれている。血液そのものだろうか。血液とは魂の通貨‥煌く結晶に喩えるのも頷ける。
さて、管の形状から化粧品でもフレグランスを彷彿とさせられるが、実はこれ、口紅である。
ハートの蓋を開くと、右心側にはラブリィローズというカラーのリップカラーが、左心側にはテンダーピンクというカラーのリップグロスが入っている。そして管の中にはリップブラシが収納されている。なかなかに凝った造りだ。蓋の裏はミラーとなる。(画像2)
ペンダントと考えるとはっきり言って重い。それ程重量感のあるしっかりした造りだ。赤い収納袋も可愛く、クリスマスらしい。
「バレンタイン」の投稿で述べた「swatch bijoux」のペンダント「WIND LOVE」とピアス「Heartissim Pierce」とは非常に雰囲気が似ており良いセットになったと思う。(画像3)
後は、口紅自体が嫁に似合う事を祈ろう。(所詮デザインで選んだだけで、私は口紅については解らない。)
最後は補足としてYVES SAINT LAURENTについて調べてみた。
1936年8月1日イヴ・サン=ローランはアルジェリアの港町オランにて生誕。まだ幼い頃にパリに引越し17歳でパリオートクチュール組合経営のファッションデザイン学校に入学。IWS(国際羊毛事務局)主催のデザインコンクールにおいてカクテルドレスを発表し最優秀賞を受賞する。
コンクール入賞がきっかけでクリスチャン・ディオールに迎え入れられる。
1957年クリスチャン・ディオール死去。21歳という若さで後継デザイナーに就任し「Christian Dior」を担う。
1960年アルジェリア戦争に徴兵され、ディオールを解雇。戦争のストレスでフランスの精神病院施設に収容され様々な治療を受ける事になる。
1962年、後援者のピエール・ベール、アメリカの実業家マック・ロビンソンと手を結び自身のオートクチュールメゾン「YVES SAINT LAURENT」を設立。1966年にはプレタポルテ「YVES SAINT LAURENT Rive Gauche」を展開。
その後は「PPR」に買収されオートクチュールメゾンはそのまま、プレタポルテは「GUCCI」の手に渡る。
イヴ・サン=ローラン氏は2002年1月22日開催のパリオートクチュールコレクションを最後に引退。そして、後継者を見つける事が出来なかったオートクチュールメゾンは閉鎖し、以後はGUCCIのYVES SAINT LAURENT Rive Gaucheのみの展開となる。オートクチュールYVES SAINT LAURENTの作品は最後までイヴ・サン=ローラン氏の手から離れる事無くその幕を下ろした。イヴ・サン=ローラン氏によるYVES SAINT LAURENTしか世間がそして本人が認めなかったという事だろう。