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輸入商社「EURO PASSION」の直営店が11月2日に表参道でオープンした。
この会社は少々個性的なブランドを多く取り扱っているのだが、今年新たに日本に初上陸を果たしたブランドにもこのEURO PASSIONが輸入したモノがある。
「B.R.M」。Bernard Richards Manufactureの頭文字である。
「バーナード・リシャール」が、1986年に前身となる会社を設立し、2002年B.R.Mを立ち上げた。

今回紹介する時計は、とても変わった雰囲気を持つ。
自動車、そして時計。世の男性を虜にする技術を集約したモノ。B.R.Mはその自動車という意匠が盛り込まれている。BRMの頭文字で「British Racing Motors」というF1に参加していたコンストラクターがあるのだが、モチーフとしているのかもしれない。
その中でも特に目を引いたモデルを2つ紹介しようと思う。

「R-50-TN」(画像1、2)
ケース径50mmという巨大な時計。レッド、オレンジ、イエローの3モデルあり、針や装飾がそれぞれのカラーに彩られる。私は当然レッドが好きだが、どのカラーでもスポーツカーのような印象だ。
センターセコンドの3針モデルで48時間のパワーリザーブインジケーターも備える。
何より目を引くのはムーブメントの立体感である。エンジンやサスペンションのようなデザインが組み込まれ、ケースサイドはチェッカーフラッグのような装飾になっているが、逆にムーブメント自体に装飾は無く剥き出しの心臓部を全面に押し出している。
ケースもチタンを採用し、レーシーなイメージを損ねていない。サスペンションような部分とムーブメントの固定にはドライカーボンを用いているようだ。
両面の完全なトランスパレント化がなされておりムーブメントの動きをじっくり楽しめる。更に表からもローターの動きを観察出来る。

「Bi-rotor」(画像3、4、5)
こちらも大きく、40×48mm。デザインはよく似ている。ケースはR-50-TN同様チタン、サスペンションとムーブメントの固定もドライカーボンと同様だがこちらにはパワーリザーブインジケーターは無い。それにR-50-TNのエンジン風のムーブメントデザインも見受けられない。
しかしこちらはこちらで大きな魅力がある。まずは側面までトランスパレント化を施してある点。「OMEGA」の「DE VILLE HOUR VISION」もそうだが、(「DE VILLE HOUR VISION」の投稿参照 ) DE VILLE HOUR VISIONでは、ツインバレルを確認できる程度であまり意味が無かったが、このBi-rotor位に分厚いモデルであれば側面からも面白いムーブメントの動きを楽しめると思う。
そして最大の特徴として、ムーブメントにダブルローターを採用している。他に「PERRELET」等がダブルローター(バイローター、ツインローターとも言う)を採用している。中でも裏面に2つのローターが縦に並ぶ方式は、独立時計師でポール・ゲイバーが開発したモノに近い。
PERRELETもポール・ゲイバー氏のダブルロータームーブメントを採用した「RETROGRADE SECOND,PARALLEL DOUBLE ROTOR」を限定販売しているが、輸入元はB.R.Mと同じくEURO PASSIONである。何かしらの関係があるのか、はたまたEURO PASSIONがこのようなモデルを取り扱いたいだけかは解らないが非常に興味がある。
ともあれベースのムーブメントは不明(無いかもしれない)だが、ここまで独自に手を加えてあればまさにマニュファクチュールだろう。

このようにモータースポーツをモチーフにしたモデルは多い。しかし「レース」や「車種」でなく「機械(計器等の計測するモノではなくエンジン等のメカニカルなモノ)」をイメージしてのモデルはそう多くないような気がする。
直ぐに思い付くのは「ORIENT」の「ORIENT STAR RETRO-FUTURE collection」や「RICHARD MILLE」の各モデル、そして「TAG Heuer」の「Monaco V4」等一部のコンセプトウォッチだけではないだろうか。
そして今挙げたどれもレースというイメージが違う。(私にとっては。)
RICHARD MILLEやMonaco V4は最高峰の素材と技術を注ぎ込んだというF1等に近いイメージだ。
ORIENTは名前の通りレトロなレーシングカーやバイク。
B.R.Mは現在一般に販売されているレーシングカーのようなスパルタンなイメージを持っている。(レトロなモデルも沢山あるが)
車を愛する人に是非身に付けて頂きたい。
価格はR-50-TNが\1,995,000、Bi-rotorは今のところ不明である。