今回は歯車部品の組み立て背板に取り付けるところまで進もうと思う。
まず「1番車」を組み立てる。腕時計で言う香箱である。「糸巻きドラム」に「角穴車」をセットしてビスで固定。写真1が組み立て前で、左から糸巻きドラム、角穴車、ビス2本。写真2が組み立てた後である。
1番車に「逆転どめ」を嵌める。(写真3 左から1番車、逆転どめ)写真4が綺麗に嵌った状態。
先程組み立てた角穴車を1番車に取り付け、「角棒」を差し込む。(写真5 左から組み立てた角穴車、組み立てた1番車、角棒)ぴったり嵌ると逆転どめと角穴車が噛み合う。これで角穴車を右に回しても1番車は回らず、角穴車を左に回すと一緒に1番車も回るようになった。(写真6)
背板に今組み立てた歯車部品、その他を使って輪列を作る。
この時計では2番車までしかないので非常に単純だ。それでも写真7の様にパーツは多い。
左上から右に、組み立てた1番車、テンプを支持する為の「つり金具」という部品を固定する「つばつきタッピングねじ」、「ガンギ車の軸」、短針が付く「針の軸」、ガンギ車、2番車、筒車、そして背板である。
角棒についている歯車が筒車と噛み合うように背板を挟んで取り付ける。筒車には針の軸を通し、その同軸上に2番車を配置。カナを背板側になるようにする。これらの位置関係を下側から見ると針の軸、筒車、背板、1番車2番車である。
ガンギ車の軸を差込み、その軸にガンギ車を配置。ガンギ車と2番車は背板に初めから取り付けられていた歯車を介して連携している。
つばつきタッピングネジを取り付ける。この状態が写真8である。
では輪列を検証してみよう。
角穴車を巻き上げ、動力を与えると、それに伴い1番車が回転。2番車、背板に初めから取り付けられている歯車、そしてガンギ車へと連携する。ガンギ車は(まだ未組み立てだが)棒テンプの振動に合わせ1番車の脱進及び調速を行う。角棒が調速された1番車の進む速度に合わせて回転、筒車にその速度を伝える。筒車の回転に合わせ針の軸が回転する事で時刻を表示できる仕組みだ。
非常に単純ながらも時計という機械の概念的な作りである。全ての時計がここから派生したと言っても過言では無いだろう。
次回完成予定。