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人間は時計がまだ開発されていない頃、知恵を絞って現在の時間を把握しようとした。
その中でも最も太古に考案されたものが日時計だ。その後は星の位置によって時間を把握したり、器から水を流す事で時間を知るという事を発明した。砂時計はこの水時計から発展したものだと思われる。そして機械式時計が開発される。

さて、NOMOSというドイツの時計メーカーがある。非常にシンプルな時計を販売しており、基本は手巻きの3針で、秒針はスモールセコンドとなっている。
モデルによってはデイト表示やパワーリザーブインジケーター、自動巻き等を備えるが、基本的な文字盤の構成は変わらない。
バウハウスデザインのシンプルな文字盤と針。その潔さが清潔感を与えてくれる。特にNOMOSをメジャーに押し上げた時計が円と直線で構成された「TANGENTE」と言われるモデルであろう。(写真1、2)
機械式時計の中でも安価な部類だがムーブメントのクオリティは高い。初めての(手巻き)機械式時計持つにもお勧めできる品である。

しかし今回は、NOMOSの時計でこのTANGENTE以上にシンプルで安価な時計がBASELWORLD2007で発表になったのでそちらを取り上げた。
「NOMOS SUNDIAL」(写真3)。なんとNOMOSは日時計をBASELWORLDで発表したらしい。
その詳細は驚くばかりだ。
シンプルを追求し続けるNOMOSが、原点に戻って全ての機能を廃した究極のシンプルウォッチを探求し行き着いたものが、自動巻きも、パワーリザーブインジケーターもデイトも秒針さえ無くしたSUNDIALだった。

動力は太陽でパワーリザーブは∞(勿論曇天や夜間は使用出来ない。)、防水も∞。オーバーホールの必要もない。全く持ってそのとおり。シンプルが成し得た性能だ。SS製のしっかりとした作りは流石である。

使用方法は、
穴の部分を現在の月(Jan~Dec)に合わせ、紐を結ぶところが丁度真上に来るようにして太陽のある方向に穴を向けると光が穴を貫通してリングの内側に現れる。
その光の点が指した時間が現在時刻となる。NOMOS TOKYOで取り扱うNOMOS SUNDIALは緯度や軽度から計算した日本の時刻(基準は明石市)仕様になっているので安心だ。

アクセサリーとしては、『MIESTER Männer-Accessoires 「ANHÄNGER/AMULETT」シリーズ』の投稿で紹介した「Sundisc」や「Sunring」の方が圧倒的に好みなのだが、何しろこのNOMOS SUNDIALは値段も安い。なんと\15,750である。このブログで紹介した時計の中でも最も安いものだ。余裕があればやはりMIESTERのものが欲しいがNOMOSも十分存在感があり楽しめると思う。

腕時計がファッションであるように日時計もファッションであれば良い。(多分、滅多に使わない筈。)
昔はこういった指輪やネックレスタイプの日時計に装飾を施し、本当のアクセサリーのように王侯貴族が身に付けていたという。幽閉された場合等に秘密裏に時刻を知る大切なアイテムだったと言われている。その為時計と気付かれないように装飾するなどの細工を施したようだ。そういえば国際時計博物館の土産としても何種か販売されていた記憶がある。(NOMOS SUNDIALは指輪ではないので指を入れないように。紐で首から下げるのが良いだろう。)
最近では特殊部隊員の間で、ナイフ等に日時計を刻むのが流行しているとか。機械時計が故障した際の備えらしい。

時計として最も長い歴史を持つ日時計。現在でも至る所で現役だ。貴方もたまには太陽の動きのみの緩慢で穏やかな時間を過ごしてみてはどうだろう?たまには太古のように時間に追われない生活を。