「Breguet Museum Exhibition 2007」でBreguetの時計に囲まれた至福の時間を過ごしたのは昨日の投稿で述べたとおりだ。(「某宝飾時計店2」参照)
Breguetのその独特の上品な佇まいは、流行り廃りの無い普遍的なものに感じる。いうなればアブラアン・ルイ・ブレゲが発明した装飾・デザインがいかに画期的であったかという事でもある。
某宝飾時計店で聞いた話によると、ブレゲ本人が時計を製作していた時代は、時計は完全にオーダーメイドのものであり、非常に高額で王侯貴族の為のものであった。それ故彼らは自分の時計を自慢したりしていたのではないだろうか。そのとき、やはりプライドの高い彼らは他人と同じ時計を望んだだろうか?
ルイ16世やマリー・アントワネット、ナポレオン・ボナパルトが生きていた華やかな時代である。
この時代の時計師は彼らを満足させる為に頭を使ったに違いない。客一人一人の為にそれぞれ違うデザインや機能を考え、時計に盛り込んでいったのではないだろうか。
ある貴族にはパワーリザーブインジケーターを、ある貴族にはムーンフェイズを、ある貴族にはギョシェを、ある貴族にはパラシュートを、ある王族にはそれらを兼ね備えたグランド・コンプリケーションをと・・
こうして様々な発明が生まれたのではという内容だった。無論店員の空想の域だが、私はそう的外れではないと思う。結果、様々なアイデアを生み出すブレゲ氏に人気が集まったのではないだろうか。
この時代は女性は煌びやかなドレスや宝飾に身を包み夜毎のパーティーを催した。マリー・アントワネットもマスカレイドがお気に入りだったそうだ。逆に男性は無駄な装飾を避ける事で女性を際立たせるというドレスコードが暗黙の内に出来上がった。男性に許された装飾といえばカフリンクスくらいであった。時計は女性は装飾として身に付けていたが、男性はこういった席では懐中時計を取り出す事は殆ど無かった。何故ならこういった席で時間を気にする方が失礼にあたるからだ。折角呼ばれたパーティーが早く終わらないかと思っていると回りにとられる。足の引っ張り合いが日常茶飯事であろう貴族たちは主催者に密告、という事まであるかもしれない。
ともかく、実際楽しいパーティーで時間を気にするのは野暮だ。これはブレゲ氏の発明「モントレ・ア・タクト」でも判る。これは、ポケットの中で時計を触って今の時刻を大体判別できるという発明だ。有名なデザインのものは1本の矢の装飾が懐中時計の裏についており、時計の時間と一緒に回転する。その矢が指す位置を触って時刻を知った。
これは実は現在でも当てはまる。フォーマルな席やパーティー等では本当は時計は禁忌なのだ。これが正しいドレスコードであり、今更私が説明しなくとも皆知っているであろう常識だ。(こういった意味では携帯電話等は以ての外だ)
しかし、最近のドレスコードは多少なりとも昔程厳格なものでは無くなった。私もこのような席で腕時計をしている方をよく見掛ける。
正しくはカフリンクスを身に付けている格好では腕時計はしない。シルエットが崩れるし腕時計自体が付け難い。だからもし時計を持つとしたらやはり懐中時計こそがフォーマルに相応しいと思う。
とはいえ実際に懐中時計を持っておられる方はどれだけおられるだろう。私も持っていない。(安いものは持っていたが壊れた。)
そして本当は時計無しで出席したいと思いつつも、次の日の仕事の為どうしても帰宅の事まで考えなければならない貴族とは違ったしがない生活をしているのだ、終電も気になる。やはり(私にとって)現代社会において腕時計は必需品なのだ。
それでは、フォーマルスタイルのドレスコードでもし腕時計を付けるとしたら、という事を考えてみた。
あくまで個人的な考えであり、正しい訳ではないので真に受けないで頂きたい。
勿論男性の場合の話である。あと紋付ははどうやっても時計は似合わないので除かせて頂く。
まず考えたのが色である。ベゼルがシルバー、ブラック、濃いブルー等落ち着いた色であれば良いと思う。ゴールドや鮮やかな色は、フォーマルでも結婚式などの慶事なら良いと思うが、葬儀等の弔事であれば止めた方が良いのではなかろうか。
次にフェイスだが、その前にデジタル表示かアナログ表示かという点でアナログ表示を推したい。デジタル時計は如何にも時間に囚われているように感じ野暮ったい。(クォーツかどうかという意味ではない。)
アナログ時計のフェイスとして考える。あまりカラフルでないものが良いだろう。文字盤を構成する色が少ない程良いと思う。文字盤をしっかり見る事は失礼なので出来るだけ避けたい。よってパッと見てすぐに時間が判るシンプルなモデルが良いだろう。クロノグラフ等は相応しくないと思う。これは慶弔限らずだ。
ケースだが、あまり大型の物や分厚いものはシルエットが崩れるので薄く小さなものの方が付けやすいと思う。大きくてもシンプルであれば気にならないかもしれないが、ダイバーズウォッチ等は当然辞めた方が良いだろう。 形は異形のデザインでもさして問題はないと思う。素材は何でも良いと思うが「Swatch」等のカジュアルなプラスチック製等は辞めるべきだろう。
ストラップは、ブレスレットやラバーよりは、やはりレザーの方が相応しいと思う。ブレスレットでは全面に時計の主張が強すぎると思う。ラバーは上記のプラスチック同様カジュアル感が拭えない。
こういった事を考慮して考えると名前のとおり「ドレスウォッチ」が最もフォーマルなスタイルには違和感がないと思う。特にBreguetの「Classique Collection」はフォーマルでも十分通用するデザインだと思う。
「スポーツウォッチ」はスポーツ時(まあ激しいスポーツには適さないが。)、「ダイバーズウォッチ」はやはり海でこそ相応しいのだ。相応しい場所に相応しいもを身に付ける事こそ正しいドレスコードなのだろう。
しかし時計自体もこの垣根が無くなりつつあるのも事実である。デザインが多種多様化し、クォーツのデジタル時計でもパッと見ブレスレットにしか見えないようなもの等上手に身に付ければフォーマルでも十分通用すると思えるモデルも多々存在する。
つまりアイデアによってはある程度の時計であれば「フォーマル」に使う事もできる。
一番簡単なものが、ストラップの交換であろう。ブレスレットをレザーストラップに変更しただけでかなりフォーマルな感が出る。個人的にはクロコダイルやリザード等が似合うと思う。
例えば「ROLEX」。ドレッシーなラインの「Cellini」を思い出して頂ければ判ると思うが、Celliniはレザーストラップがメインである。「PRINCE」もレクタンギュラーながら、ドレッシーで十分フォーマルな装いだ。やはりレザーストラップである。では、「EXPLORER」や「DATE JUST」等はどうか?確かにこのままではフォーマルといえるようなものではないが、ストラップをレザーに交換しただけで落ち着きが増した感じにならないだろうか?流石に、「SUBMARINER」のように分厚く回転ベゼルまで備えているものや、「DAYTONA」のようなクロノグラフはレザーに変えてもフォーマルには合わないだろう。(それはそれで格好良いのだが。)
また「Jaeger-LeCoultre」の「Reverso」。こモデル自体が既に上品で私はフォーマルなものだと思うが、更に良いのは文字盤が隠れる事。文字盤を裏返す事で「時間を気にしない」という公言を感じる。
このようなモデルであればフォーマルらしい使い方が可能だと思う。
勿論、特に主役のいないパーティーなどであれば、話題になるような目立つ時計を話の種にしても面白いかもしれない。
あえて時計を持っていかず、女性に時間を聞くという事で話のきっかけを作るのも良いかもしれない。
一生の内に慶弔事はそれほど多くないかもしれない。しかし、「フォーマルな席」とはやはり礼を尽くさねばならない場だ。「formal」とは形式に適ったや正式なという意味なのだ。正式なものに準ずる必要がある。
私の意見も手前で考えた勝手なものであり、賛成の方も反対の方もおられると思う。自分なりに考える事が大事だと思う。
やはりフォーマルの席の為にも懐中時計が欲しいと思う今日この頃であった。「Breguet 癸機廚留洞舛世蹐Δ?
Breguetのその独特の上品な佇まいは、流行り廃りの無い普遍的なものに感じる。いうなればアブラアン・ルイ・ブレゲが発明した装飾・デザインがいかに画期的であったかという事でもある。
某宝飾時計店で聞いた話によると、ブレゲ本人が時計を製作していた時代は、時計は完全にオーダーメイドのものであり、非常に高額で王侯貴族の為のものであった。それ故彼らは自分の時計を自慢したりしていたのではないだろうか。そのとき、やはりプライドの高い彼らは他人と同じ時計を望んだだろうか?
ルイ16世やマリー・アントワネット、ナポレオン・ボナパルトが生きていた華やかな時代である。
この時代の時計師は彼らを満足させる為に頭を使ったに違いない。客一人一人の為にそれぞれ違うデザインや機能を考え、時計に盛り込んでいったのではないだろうか。
ある貴族にはパワーリザーブインジケーターを、ある貴族にはムーンフェイズを、ある貴族にはギョシェを、ある貴族にはパラシュートを、ある王族にはそれらを兼ね備えたグランド・コンプリケーションをと・・
こうして様々な発明が生まれたのではという内容だった。無論店員の空想の域だが、私はそう的外れではないと思う。結果、様々なアイデアを生み出すブレゲ氏に人気が集まったのではないだろうか。
この時代は女性は煌びやかなドレスや宝飾に身を包み夜毎のパーティーを催した。マリー・アントワネットもマスカレイドがお気に入りだったそうだ。逆に男性は無駄な装飾を避ける事で女性を際立たせるというドレスコードが暗黙の内に出来上がった。男性に許された装飾といえばカフリンクスくらいであった。時計は女性は装飾として身に付けていたが、男性はこういった席では懐中時計を取り出す事は殆ど無かった。何故ならこういった席で時間を気にする方が失礼にあたるからだ。折角呼ばれたパーティーが早く終わらないかと思っていると回りにとられる。足の引っ張り合いが日常茶飯事であろう貴族たちは主催者に密告、という事まであるかもしれない。
ともかく、実際楽しいパーティーで時間を気にするのは野暮だ。これはブレゲ氏の発明「モントレ・ア・タクト」でも判る。これは、ポケットの中で時計を触って今の時刻を大体判別できるという発明だ。有名なデザインのものは1本の矢の装飾が懐中時計の裏についており、時計の時間と一緒に回転する。その矢が指す位置を触って時刻を知った。
これは実は現在でも当てはまる。フォーマルな席やパーティー等では本当は時計は禁忌なのだ。これが正しいドレスコードであり、今更私が説明しなくとも皆知っているであろう常識だ。(こういった意味では携帯電話等は以ての外だ)
しかし、最近のドレスコードは多少なりとも昔程厳格なものでは無くなった。私もこのような席で腕時計をしている方をよく見掛ける。
正しくはカフリンクスを身に付けている格好では腕時計はしない。シルエットが崩れるし腕時計自体が付け難い。だからもし時計を持つとしたらやはり懐中時計こそがフォーマルに相応しいと思う。
とはいえ実際に懐中時計を持っておられる方はどれだけおられるだろう。私も持っていない。(安いものは持っていたが壊れた。)
そして本当は時計無しで出席したいと思いつつも、次の日の仕事の為どうしても帰宅の事まで考えなければならない貴族とは違ったしがない生活をしているのだ、終電も気になる。やはり(私にとって)現代社会において腕時計は必需品なのだ。
それでは、フォーマルスタイルのドレスコードでもし腕時計を付けるとしたら、という事を考えてみた。
あくまで個人的な考えであり、正しい訳ではないので真に受けないで頂きたい。
勿論男性の場合の話である。あと紋付ははどうやっても時計は似合わないので除かせて頂く。
まず考えたのが色である。ベゼルがシルバー、ブラック、濃いブルー等落ち着いた色であれば良いと思う。ゴールドや鮮やかな色は、フォーマルでも結婚式などの慶事なら良いと思うが、葬儀等の弔事であれば止めた方が良いのではなかろうか。
次にフェイスだが、その前にデジタル表示かアナログ表示かという点でアナログ表示を推したい。デジタル時計は如何にも時間に囚われているように感じ野暮ったい。(クォーツかどうかという意味ではない。)
アナログ時計のフェイスとして考える。あまりカラフルでないものが良いだろう。文字盤を構成する色が少ない程良いと思う。文字盤をしっかり見る事は失礼なので出来るだけ避けたい。よってパッと見てすぐに時間が判るシンプルなモデルが良いだろう。クロノグラフ等は相応しくないと思う。これは慶弔限らずだ。
ケースだが、あまり大型の物や分厚いものはシルエットが崩れるので薄く小さなものの方が付けやすいと思う。大きくてもシンプルであれば気にならないかもしれないが、ダイバーズウォッチ等は当然辞めた方が良いだろう。 形は異形のデザインでもさして問題はないと思う。素材は何でも良いと思うが「Swatch」等のカジュアルなプラスチック製等は辞めるべきだろう。
ストラップは、ブレスレットやラバーよりは、やはりレザーの方が相応しいと思う。ブレスレットでは全面に時計の主張が強すぎると思う。ラバーは上記のプラスチック同様カジュアル感が拭えない。
こういった事を考慮して考えると名前のとおり「ドレスウォッチ」が最もフォーマルなスタイルには違和感がないと思う。特にBreguetの「Classique Collection」はフォーマルでも十分通用するデザインだと思う。
「スポーツウォッチ」はスポーツ時(まあ激しいスポーツには適さないが。)、「ダイバーズウォッチ」はやはり海でこそ相応しいのだ。相応しい場所に相応しいもを身に付ける事こそ正しいドレスコードなのだろう。
しかし時計自体もこの垣根が無くなりつつあるのも事実である。デザインが多種多様化し、クォーツのデジタル時計でもパッと見ブレスレットにしか見えないようなもの等上手に身に付ければフォーマルでも十分通用すると思えるモデルも多々存在する。
つまりアイデアによってはある程度の時計であれば「フォーマル」に使う事もできる。
一番簡単なものが、ストラップの交換であろう。ブレスレットをレザーストラップに変更しただけでかなりフォーマルな感が出る。個人的にはクロコダイルやリザード等が似合うと思う。
例えば「ROLEX」。ドレッシーなラインの「Cellini」を思い出して頂ければ判ると思うが、Celliniはレザーストラップがメインである。「PRINCE」もレクタンギュラーながら、ドレッシーで十分フォーマルな装いだ。やはりレザーストラップである。では、「EXPLORER」や「DATE JUST」等はどうか?確かにこのままではフォーマルといえるようなものではないが、ストラップをレザーに交換しただけで落ち着きが増した感じにならないだろうか?流石に、「SUBMARINER」のように分厚く回転ベゼルまで備えているものや、「DAYTONA」のようなクロノグラフはレザーに変えてもフォーマルには合わないだろう。(それはそれで格好良いのだが。)
また「Jaeger-LeCoultre」の「Reverso」。こモデル自体が既に上品で私はフォーマルなものだと思うが、更に良いのは文字盤が隠れる事。文字盤を裏返す事で「時間を気にしない」という公言を感じる。
このようなモデルであればフォーマルらしい使い方が可能だと思う。
勿論、特に主役のいないパーティーなどであれば、話題になるような目立つ時計を話の種にしても面白いかもしれない。
あえて時計を持っていかず、女性に時間を聞くという事で話のきっかけを作るのも良いかもしれない。
一生の内に慶弔事はそれほど多くないかもしれない。しかし、「フォーマルな席」とはやはり礼を尽くさねばならない場だ。「formal」とは形式に適ったや正式なという意味なのだ。正式なものに準ずる必要がある。
私の意見も手前で考えた勝手なものであり、賛成の方も反対の方もおられると思う。自分なりに考える事が大事だと思う。
やはりフォーマルの席の為にも懐中時計が欲しいと思う今日この頃であった。「Breguet 癸機廚留洞舛世蹐Δ?