2007年6月10日の「時の記念日」に合わせ、私の行き着けである某宝飾時計店では6月9日から11日までの3日間「Breguet Museum Exhibition 2007」を開催した。
このブログによく訪問される方はご存知だと思うが、Breguetは私が最も愛する時計ブランドのひとつである。アブラアン・ルイ・ブレゲが築いた燦然たる歴史もさることながら、その古き時代から受け継がれる上品でクラシカルな意匠も素晴らしい。当然私も足を運び、様々な美しいBreguetの時計を堪能した。
今回の目玉は「Breguet 癸機廚噺討个譴襯▲屮薀▲鵝Ε襯ぁΕ屮譽暇椰佑実際に製作した時計を、(現Breguetを有する)「Swatchgroup」がオークションで競り落とし分解、総ての部品をコピーした本物同等のレプリカを4個作り上げた。その内のひとつが展示、販売されている。
写真1、2が「Breguet 癸 (Replica)」レプリカといえども本物と遜色がない精巧な作りである。当然本物と同じくペルペチュアルと呼ばれた自動巻き機能、ムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーター、スモールセコンド、クォーターリピーターが搭載されている。価格は\199,500,000。凡そ2億円である。(Swatchgroupは本物をいくらで落札したのだろうか?Breguetのアンティーク公開オークション最高額というが非常に興味深い。)
そしてBreguet 癸気離妊競ぅ鵑縫ぅ鵐好團譟璽轡腑鵑鮗?韻憧粟したものがref.3130とref.3137である。(写真3 ref.3137)このように過去の懐中時計にインスピレーションを受けてそれを巧く腕時計としたモデルが多い。古典的でもあり先進的でもあるという歴史を尊重しまた、革新的な挑戦を続けるBreguetらしい。
さて、今回は「フェア」という規模を超え「ミュージアム」と呼ばれる大掛かりな催しだけあり、時計の数も100本近くがあった。中にはトゥールビヨン(写真4)やミニッツリピーター(写真5、6は宝石装飾無しで最も高価な腕時計パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーターであるref.5447。\32,550,000)もあり、目で楽しみ耳で楽しんだ。
更に今回は、時計師ブレゲが世に残した偉大な遺産の中から代表的な12点を取り上げ、パネルと音声ガイドにて紹介されていた。写真7がその音声ガイド用のリモコンである。気になる展示品の番号をプッシュする事で、その時計についての説明がリモコン上部のスピーカーより流れる。個人で好きな内容を好きな時に聴講できるので非常に便利だ。ちゃんと全部聞いた。
もうひとつ特に私の目に留まったものがref.6190のClockである。(写真8)192時間のパワーリザーブを持つ非常に美しい置時計だ。下の扇型のダイヤルは温度計となっている。「Table Clock」だが、ナポレオン・ボナパルトが使用した携帯できる「Carriage Clock」のように鎖を取り付ける事が出来る。この鎖は「ブレゲ・チェーン」と言われリングが2つずつ連なっているそうだ。
しかもこの時計、実はモノプッシャークロノグラフである。時針、分針と同軸に秒積算針と分積算針を備える。つまりクロノグラフ秒針の後ろに隠れて分積算針があるのだ。(スプリットセコンドクロノグラフの様な配置)Type XXIやMARINE chronographと同様だ。
我侭を言ってムーブメントを見せて頂いた。(写真9)レンズが付いており拡大した綺麗なムーブメントを拝見する事ができる。これは自慢ではないが世界的にもあまり無い希少な写真だと思う。
値段は\4,600,000。
名残惜しいが帰る頃、土産でBreguetチョコレートを頂いた。(写真10)「Chocolatier Erica」という東京のショコラティエのチョコレートである。ビターだと思われる黒い方がほろ苦く好みの味だった。
アブラアン・ルイ・ブレゲはマリー・アントワネットに「予算も期間も制限しない。最も複雑で美しい時計を。」と言われ「Marie-Antoinette 癸隠僑亜廖兵命殖隠院砲鮴什遒垢襦くしくもマリー・アントワネットもブレゲ本人も死して弟子達の手によって1827年に完成に至ったこの癸隠僑阿蓮■隠坑牽廓4月16日にエルサレムのメイヤー記念イスラム記念館(美術館)より盗まれ現在は行方不明である。
現在Breguetではニコラス・G・ハイエック氏の下、時計史上最高傑作である癸隠僑阿鮓渋紊磨瓦蕕擦襯廛蹈献Дトを進めている。またマリー・アントワネット所縁のヴェルサイユ宮殿の一角「Le petit Trianon」及びその周辺の修復に援助を行っているそうだ。数年後癸隠僑阿閥Δ謀??了僂領錣靴Le petit Trianonを拝む事が出来るかもしれない。Breguetの新たなる歴史ともに‥
このように非常に有意義且つ勉強になったBreguet Museum Exhibition 2007。また、他の時計ブランドでも良いので開催して頂きたいものだ。