「B.Act TESORO」という羽賀研二氏本人がデザインしたジュエリー展示に合わせて来場とのことだ。
前に石田純一氏が似たようなコンセプトでその店に来場していたが、本当にタレントは多芸だ。
最も私の今回の訪問理由は「Breguet」の7027BB/11/9V6「TRADITION」のWGモデル(写真1)が展示されていると聞いてだ。7027BA/11/9V6「TRADITION」YGモデルは何度も拝見し手にとってみた事もあるが、本当に当時の懐中時計を腕時計にしたという、過去と現在が重なり合った時計だと思ったものだ。しかし、その存在は腕時計という枠を少々超えてしまっている。非常に独特のオーラを持っているので、カジュアルにもフォーマルにもビジネスにも使い辛く感じるのだ。地板の金色も存在の強さに拍車を掛けている。しかし、金色だからこそ懐中時計の雰囲気を感じさせてくれるのだと思った。
はっきりいってWGのモデルにはあまり期待していなかったのだが、実物は違った。YGと違い地板も銀色なので大人しい。しかし、歯車の金色や所々に使用されているブルースチールが非常に良い輝きを放っている。なんというか奥行きがあり時計に立体感が生まれているのだ。写真には写らない実物の凄さを知った。
暫く店内を眺めていると、「JAQUET DROZ」の「GRANDE HEURE MINUTE」SSモデルがあった。(写真2)限定88個という事で、余裕があれば欲しいのだが・・まあ無理だ。非常に端正なフェイスでエナメル文字盤がとても美しいが、サイズは43mmとシンプルなドレスウォッチにしてはかなり大きい。JAQUET DROZも懐中時計を模したデザインなので、それ故このサイズとなっているようだ。
ケーキとコーヒーを頂きながら仲の良い店員と暫し談笑。その時Breguetの「Type XX Transatlantique」が売れた。私が嫁と時計店員以外で初めて見た富山のBreguetユーザーだ。末永く愛用して頂きたいものだ。
いよいよ羽賀研二氏と邂逅。しかし言葉を交わす訳でもなく彼の作品を眺める程度に留まった。しかし遠めで見る限りなかなか気さくで面白い方だと思った。
ジュエリーのデザインに関しては特にコメントはない。格別目を惹くものは無かったが、どれも身に付ければ満足のいくものだろう。
しかし、ジュエリーに使用されている宝石についてはかなり面白い物が多かった。綺麗な星が現れるブラックスターサファイアやルビーインゾイサイトというルビーにゾイサイトが混ざった2色の石、ルチルクォーツの金針が入ったトパーズ(ルチルトパーズとでも言うのだろうか?)等初めて見るものが多かった。
また「CHAUMET」のブースでは、まだ未販売の新作のチャームをこっそり見せて頂いた。「Accroche-coeurs(ハートをつかんで離さないという意味)」というリトルボーイ、ベビーガール、蜜蜂、クローバー、ティアラ、リアンハートの6種の小さなチャームだ。YGは\115,000。CHAUMETのものと考えるとお手頃かもしれない。このチャームを付けた蛯原友里嬢がモデルとして雑誌に載っているらしい。若い女性にも人気が出そうだ。ちなみに6種の中でも私は蜜蜂(写真3)が気に入った。
更にBreguetのジュエリーのカタログを見せて頂いた。このジュエリーに関してはいずれちゃんと紹介しようと思う。
帰る間際にレディースのアンティークウォッチが展示されていたので最後に目を通す。ROLEXやOMEGA、ELGIN、HAMILTON等があったが、ひとつJaeger-LeCoultreのものを見つけた。これだけ金額が100万を越えていたので、もしかするとCal.101という世界で最小の時計ムーブメントのアンティークかもしれない。
残念だが正確な事は解らなかった。(写真4 cal.101の腕時計。今回見たものではない。)
久しぶりに長い時間を飽きずに眺める(冷やかす)事ができた。非常に楽しい有意義な時間だった。時計も宝石も知れば知るほど深淵な世界が広がる。とても奥が深い。もっと詳しくなりたいものだ。そのためにもこういった店との関係を大切にしていきたい。