名前は聞くがどのようなものか理解していないので調べてみた。
AEDは要するに素人でも電気ショックを簡単に行うことが出来る機械だ。
Vf(Ventricular fibrillation)やVT(Ventricular tachycardia)を検知した際、充電しショックを行う。「Ventricular」は「心室の」という意味だ。「fibrillation」は「細動」、「tachycardia」は「頻拍」である。つまり「Vf」は「心室細動」、「VT」は「心室頻拍」と訳する。
人間が生命の危険に晒される致死性不整脈は心室で発生する事が多い。理由は心房は血が心臓に戻る処で、心室は心臓から血を脳及び全身に送る処だからだ。心室が正しく活動していないと血液が循環しないのだ。
通常、人間の心臓は洞結節と呼ばれる処から発生する規則正しい電気刺激に合わせて心臓が規則正しく動いている。しかし、稀にそのテンポが狂ったり、洞結節以外から電気が発生したり、電気がうまく伝わらなかったりする事がある。
このような不整脈の場合はペースメーカー等を利用しなければならない事もある。そして心筋梗塞など、心臓に血が流れなくなったりすると心室細動や心室頻拍を引き起こし、心臓は正しい動きが出来ず脳や全身に血が回らずに死亡してしまうということだ。そして、その唯一の治療法が電気ショックなのだ!
しかし、イマイチ理解できない。
家に良いものがあるので例にしてみよう。
嫁が私に内緒で購入した低周波治療器「SUN MASSEUR HOT22BL」(写真2)。非常に高額な代物で家で見かけたときは流石に怒った。せめて相談してから購入してもらいたかった。(まあ、相談されたら間違いなく却下していたが。)万年肩凝りの嫁には必需品かもしれないが。
‥愚痴はさておき、この低周波治療器は身体にパッドを貼り、電気を身体に流して筋肉を刺激する。筋肉は電気によって収縮して、ピクピクと動く。これがマッサージ効果を生む。筋肉は電気によって動くのだ。
実際人間が腕を動かす際も脳より発生した指令が電気信号となり筋肉を動かしている。最近はその脳波を利用して動くロボットも実用化に向けて開発が進んでいる。
そして心臓も筋肉なのだ。筋肉が痙攣した事がある方もいるだろう。これが心臓で発生すると心室細動や心室頻拍になるのだ。
さて、AEDの話に戻ろう。
それではAEDは心臓を動かす電気を出す機械なのだろうか?答えはNOである。実はAEDは心臓を停止させる機械なのだ。不規則な電気信号で正しい動きをしない心臓に対し、強力な電気を通して一旦心臓に係わる全ての電気を排除する。そして洞結節から発せられる正しい電気信号による心臓のリズム再開を期待するという機械だ。あくまで「除『細動』器」である。細動を除してやる機械でしかない。当然必要なら胸骨圧迫等心肺蘇生法を実施する必要がある。
では、普通に心臓が動いている人に電気ショックすると?心臓の電気を一旦停止するので場合によっては心臓が止まってしまうこともありうるのではないだろうか。その為、心室細動及び心室頻拍の波形を検知しない限りAEDは電気ショックできなくなっているという事だ。
今回はここまで。次回に続く。