「CORUM」は1924年にガストン・リース氏が創設したスイスの時計メーカーだ。ブランドの鍵のエンブレムは「完全な時への鍵(KEY TO PERFECT TIME)」を象徴。
フラッグシップのAdmiral's Cupシリーズは世界4大ヨットレースの1つにちなんだモデルで文字盤に国際信号旗をインデックスとしたデザインで人気を博した。
遊び心のある個性的で大胆なデザイン、装飾凝ったものを発表し続ける、異彩を放つ注目ブランドだ。
その中でも一際目を引く時計がある。それが「Golden Bridge」である。(写真1)
これは、独立時計師ヴィンセント・カラブレーゼ氏が設計したものらしい。カラブレーゼ氏は現在「NHC(Nouvelle Horlogerie Calabrese)」というブランドを設立しているのだが、面白い作品が多い。
彼の手掛けた作品の中でもこのGolden Bridgeはとてもシンプルで美しい時計だ。透明な文字盤の中に1本の金の地板が橋のように架かっており、その中心に針が付いている。ムーブメントは細い地板に沿うような設計になっておりその様子を360°眺めることが出来る。綺麗に並んだ歯車が特徴的だ。
地板も美しいエングレービングが施され、高級感溢れる作りとなっている。
残念ながらこのモデルはディスコンティニュードになってしまい、現在は販売されていない。しかし、今年CORUM社創立50周年を記念しNEWモデルとしてGolden Bridgeは復活を遂げた。(写真2,3)
前作のようなクラシカルな意匠とは違うが、これも繊細で美しいデザインだ。ボリュームがあり、前作より力強さも感じられる。
前作程極端に並んだ輪列ではないが、これはこれで十分計算された輪列の歯車であろう。肝心の香箱からテンプまではちゃんと一直線に並んでいる。それを360°眺めることが出来るのも変わっていない。
当然ながら今作も地板は18金を使用しており、手彫りによるエングレービングが施され金色の橋を彩っている。
時計の勉強にもなりそうなこのモデル、値段は\2,551,500~になっている。
フォーマルでもカジュアルでもパーティでもビジネスでもいけそうな数少ないゴールドモデルだと思う。