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VISCONTIの「Alchemy」である。
皆はパッと見、これがなにかお解りになるだろうか?
実はこれ、万年筆なのである。

VISCONTIは1988年に設立した比較的新しいイタリアのペンブランドだが、古い万年筆の技術を復刻していることなどから、なかなかの人気を誇る。また新たな吸入方式を研究したりと新製品開発に余念が無い。

今回はその中でも抜群に目を引く豪華な一品、「Alchemy」である。
Alchemy(アルケミィ)とは日本語で錬金術の意味。錬金術の狭義には、化学的手段を用いて卑金属から貴金属(主に金)を精錬しようとする試み。漫画や映画にでも度々使われる。一般によく知られた錬金術とは、物質をより完全な存在に変える「賢者の石」を創る技術(若しくは研究)のことをいう。

まずは台座を見てみよう。(写真1)ウロボロスと呼ばれる古代の象徴の一つで、尾を噛んで環となった竜の形状をした台座にマグネットで万年筆が留められている。ウロボロスは「世界創造が全であり一である」といった思想を表し、グノーシス派などが用いた。他にも終わりが始まりになる円運動、永劫回帰や陰陽など反対物の一致など、意味するものは広い。

万年筆(写真2)は双頭で、ゴールドとシルバーで半分ずつ装飾されている。ウロボロスと合わせて表現されているようで、まさに陰陽といったところ。ペン先もMとFとして使い分けることができるようになっている。
装飾も魔方陣(セフィロトの樹らしい)が描かれている。真っ赤なレジンボディにとてもマッチしている。
ちなみに双頭なので普通の吸引方式は使えない。アイドリッパーシステムという、スポイトを使ってインクを補充する仕組みとなっている。(写真3)
書き味に関しては、試し書きしたことが無いのでわからないが、程よい硬さだと聞く。
台座をディスプレイできる専用の台紙に乗せてフルセット。(写真4)この台紙はケースにもなっているらしい。(未確認)

こんなことを言ってはなんだが、万年筆というよりは1つの芸術品で、書き味は二の次だと思う。
何か、万年筆の紹介でなく、漫画の紹介をしているようだが、それほどオタク心をくすぐるというか・・
美しく、「錬金術」という世界観に拘ったこの品、如何だろうか?定価は48万円なり。(ダイヤモンドをちりばめた世界10本限定品も存在するが値段は600万円。)