中学を卒業し、ホッとしたのも束の間、入学して名簿を見ると、私の中学からは16人が同じ高校へ進学。入学式から最悪の日々が続く事になる。
名前を遠くから呼ばれる度に顔が強張った。何故違う学校にしなかったか、転校は考えなかったのか、休学は考えなかったのか。今から思うと選択肢はいっぱいあったのだろうが、正直に自分の事情を親に話をしていない以上、登校する以外の選択肢は無かったのである。毎日が辛い、高校では絶対に自分をだし、素の自分を友達と思ってくれる子がいるはずだ!と期待し、又、自分には決して偽ってはいかないと言い聞かせて毎日を送る事をいいきかせた。数人の友達が出来中学時代に満喫出来なかった高校生活を楽しみ始めた矢先、遂に私への噂がチラホラ聞こえてきた。身近な友達は、そんな噂、気にもしない!と私を守ってくれると、私の胸は痛み続けた。

私が嘘を付き、皆んなの信頼を失ったんだ。
だから私は嘘付きなの。周りの皆んなは本当の事を言ってるんだよ!

なんて、出来た人間には決してなれなかった。
私は卑怯な人間なのだ。前にも書いた様に、嘘は嘘をずっと付き続けなければならない。だから嘘をつく事は苦しい事なのだ。そう子供にも教育している自分は嘘、偽りをやめれなかった。

わたしの口から出た言葉は、周りの子はそんな、事を言ってるけど、あーやって私をいじめてるんだ!
そう、あれだけ決心したのに、いとも簡単に口から出まかせが出てしまう。もう抜け出せないと感じた。私は愚かな人間だ。