二世帯住宅になってからは、子供ながら自分の家と、他人の家の違いを敏感に察知していた。
母の機嫌が悪い事も多かったが、それが、小学校に入る頃まで訳が分からなかった。私の家からは近くの公園が見渡せ、一人で公園で遊んでいても、誰か町会の友達や歳の違う幼馴染などが遊びに来ていたので、家にいるよりかは、外で遊ぶ子だった。兄もいた事から、幼稚園前から兄の後ろを引っ付き回っていた。今となっては、迷惑な妹だった気がする。
父の一番下の妹が結婚すると、祖母との関係性が深くなった。祖母の後ろにくっついている事が多くなり、お墓まいりなどにも付いて行った覚えがある。必ず祖母に「大人しくしててね!」と言われ、その通り大人しくしていると、母に「この子は借りてきたネコの様にピクリとも動かず、おりこうさんだった!」と伝えられた。
本当は、おてんばで動く事が大好きな私にとって、祖母との約束は、母の為にしなければいけないと思っていたが、それはきっと自分の為だったのだ。子供を子供として扱わない祖母にソッポを向かれる事は小さいながらに思っていたのだ。
良い子じゃないといけない。そう、そのころから自分を偽る様になって行った。