国際ロマンス詐欺は、マッチングアプリやSNSを使った詐欺です。

国際結婚・国際恋愛をしたいと考えている日本人男女が狙われる傾向にあります。

近年は被害が増えているため、警戒心を持つ必要があるのです。

そこで今回は、そもそもロマンス詐欺とはどのようなものか、どういった特徴があるのかをご紹介します。

さらに、国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合の相談窓口もご紹介するので、国際結婚や国際恋愛を考えている方は、万が一の時に備えて参考にしてみてください。

 

■そもそも国際ロマンス詐欺とは?

国際ロマンス詐欺の手口は、非常に巧妙です。

数百万円~数千万円もの被害に遭ってしまう方もいるので、どのような手口で行われるのか把握しておかなければいけません。

特に、国際結婚や国際恋愛を希望している場合は騙されないようにするために、手口について把握しておきましょう。

 

国際ロマンス詐欺は、マッチングアプリやSNSで知り合った異性に対して積極的にアプローチし、恋心を抱かせるところからスタートします。

恋心を抱かせたら少しずつあなたの人間関係を崩していき、自分に依存するように仕向けていくのです。

依存させるのは、あなたの周りが詐欺だと気付いた時にはすでに手遅れといった状況を作り出すためです。

その後、結婚をほのめかし、婚約者となってからお金を騙し取ります。

最初は少額ですが徐々に金額が増えていき、最終的には数千万円もの大金を奪われる事態に陥るケースもあります。

お金をむしり取るだけむしり取ると用無しになってしまうので、連絡が取れなくなるという流れです。

外国人が相手だと共通の知り合いもいないと考えられるため、探し出して返金してもらうのは非常に困難です。

 

 

■国際ロマンス詐欺にはどんな特徴がある?

 

国際ロマンス詐欺は、前述したように外国人が別の国の人を対象に、恋愛感情を抱かせてお金を騙し取ることです。

マッチングアプリやSNSで知り合った相手を騙すケースが多く見られます。

国際恋愛や国際結婚をしたいという願望を持っている場合、狙われるリスクが高まります。

続いては、そんな国際ロマンス詐欺にはどのような特徴があるのかみていきましょう。

 

 

・プロフィール写真がイケメンor美人

国際ロマンス詐欺師のマッチングアプリやSNSのアカウントは、プロフィール写真が好感度高めのイケメンや美人であるケースが大半を占めます。

連絡した相手と近しい中になってから騙すことが目的なので、最初のうちは魅力的な異性だと思ってもらうことが重要になります。

そのため、プロフィール写真やプロフィールの内容はすべて偽りです。

誰もが目を奪われるような美男美女で、豊かな生活を送っているような様子が伺える場合は、詐欺師かもしれないと怪しむようにしましょう。

少しでも怪しいと感じる部分があったら、あなた自身の写真も送ってはいけません。

写真を送ってしまうと、ネット上にありもしない内容を記載して拡散される恐れがあります。

 

 

・恋愛感情を抱かせるような巧みな話術

国際ロマンス詐欺の犯人は、相手に恋愛感情を抱かせるような巧みな話術を駆使するという特徴もあります。

マッチングアプリやSNSで知り合って間もない時期から、「大好きだよ」「早く会いたいな」「愛しているよ」などの甘い言葉で相手を誘惑するのです。

仲良くなってラインを交換するようになれば通話もするようになりますが、その時に「結婚しよう」と伝え、あなたのことを本当に大切しているふりをします。

このように恋愛感情を抱かせるような言葉を使うのは、心を許してもらうことでお金を騙し取りやすくなるためです。

外国人だから日本人とは感覚が違い、早い段階から愛を伝えるものだと勘違いしてしまう場合もあるでしょう。

確かに、外国人は積極的に気持ちを伝えてくれますが、会わずに甘い言葉を伝えてくる場合は警戒すべきです。

 

 

・年収が高く、派手な生活をしている

国際ロマンス詐欺師は、年収が高い仕事についていると自称するケースも非常に多いです。

軍人や医師、弁護士、社長などを名乗っていても、本当にその仕事をしているのか確認する術はありません。

女性の場合は、ヨガインストラクターや在宅投資家などを名乗るパターンが多いと言われています。

軍人や軍医を名乗っていれば、少しくらいの違和感であれば指摘されても「軍の決まり」で押し通せるでしょう。

年収が高いと偽っている異性は、派手な生活をしているケースも多く見られます。

もちろん、年収が高い仕事をしていて派手な生活を送っているからと言って、必ずしも詐欺師とは言い切れません。

しかし、その可能性は高いのである程度警戒すべきだと言えます。

 

 

・連絡頻度は高く、知り合ってすぐに関係を進展させようとする

連絡頻度が高めで、知り合ってすぐに関係を進展させようとする点も、国際ロマンス詐欺師の特徴として挙げられます。

詐欺師はターゲットとなる異性と1日に数百ものやり取りをする場合もあります。

ターゲットとの距離を縮め、依存させることが目的です。

そうすることで、お金の話をした時に断りにくくなっていきます。

国際ロマンス詐欺を行うグループの中には、アルバイトを雇って交代制でターゲットとやり取りしているところもあります。

詐欺師でなければ相手にも生活がありますし、外国人なら時差で生活の時間帯が合わない場合も少なくありません。

そのため、日本に住んでいないのにすぐ返事が来るのであれば、グループで詐欺を行っている可能性が高いと警戒しましょう。

 

 

・話の内容に違和感を覚える

メッセージのやり取りをしている中で、話の内容に違和感を覚えることもあります。

外国人とのやり取りなので細かいニュアンスが上手く伝わらず、話が食い違ってしまう可能性ももちろんあります。

それは言葉の壁があるので仕方のないことでしょう。

しかし、詐欺師相手だと細かいニュアンスが上手く伝わらないだけではなく、性格がまるで別人のように感じる場合もあります。

これは、前述したようにグループで詐欺を行っている場合は複人でメッセージを送っているためです。

話している中で性格が全く違うなどの違和感があったら、国際ロマンス詐欺の可能性を疑いましょう。

 

 

・偽の投資サイトに登録させようとする

マッチングアプリやSNSで知り合った異性が、投資サイトに登録させようとしてくる時も注意すべきです。

相手から投資を持ちかけられ、偽サイトのリンクが送られてきます。

登録させることによって、個人情報を抜き取ることが目的です。

詐欺グループの中にはWEBサイト制作に長けている人がいて、大手の有名業者とそっくりな偽サイトを作っているといったパターンもあります。

偽物だと見抜くのは非常に困難です。

また、ターゲットを騙すことに全力を注いでいる詐欺グループだと、チャートの値動きを操作しているのでなかなか見抜けません。

 

 

・配偶者と死別している

国際ロマンス詐欺師には、ターゲットとなる異性から同情してもらえるようなプロフィールがあるといった共通点もあります。

一例として挙げられるのが、配偶者と死別していることです。

お互いに配偶者と死別し、シングルマザーやシングルファーザーとして子育てに奮闘していると、親近感も湧きやすくなるでしょう。

また、日本に留学や仕事で言った経験があるというエピソードを語る詐欺師もいます。

お互いの共通点があまりにもたくさんあると感じた場合は、警戒心を持つようにしましょう。

あなたに興味を持ってもらうために、偽装した過去である可能性もないとは言い切れません。

 

■国際ロマンス詐欺の被害に遭ったらどこに相談すべき?

国際ロマンス詐欺師の被害に遭ってしまったら、何とかしたいと考えるものです。

しかし、相手は外国人なのでどこに相談すべきなのか迷ってしまう方もいるでしょう。

そこで最後に、国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合の相談窓口をご紹介します。

 

 

・返金してもらえる可能性が高い弁護士

ネットに精通している弁護士であれば、国際ロマンス詐欺についても熟知しているので返金してもらえる可能性が高まります。

身元の判明が難しくて返金事例がそこまで多くないのが国際ロマンス詐欺なので、経験豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。

警察に被害届を出す時も、弁護士に相談中なら代理で提出してもらうことも可能です。

弁護士から提出されれば受理される確率も高くなります。

また、犯人が捕まった時に慰謝料を請求できる点も、弁護士に依頼する大きなメリットだと言えるでしょう。

 

ただし、相談料や手数料が発生するケースもあり、経済的な負担は大きくなりやすいです。

また、弁護士によって対応や結果に大きな差が生まれる場合もあるので、依頼先の選択が重要となります。

国際ロマンス詐欺に精通する弁護士を探し、依頼するのが理想です。

 

 

・詐欺師逮捕につながる可能性がある警察

警察に相談すれば、国際ロマンス詐欺師逮捕につながる可能性があります。

しかし警察は、民事不介入という原則に基づいて動くため、お金を騙し取られたという明確な証拠が必要です。

証拠がない状態で警察に相談しても、捜査をすることも、事件にすることもできないので、門前払いをされてしまう可能性もゼロではありません。

警察に相談しようと考えているなら、しっかりと証拠を集めてからにしましょう。

証拠がしっかり揃っていて、詐欺師が特定されれば、逮捕してもらえる場合も当然あります。

 

ただし、国際犯罪なので操作に時間がかかってしまい、解決までに時間がかかってしまいます。

また、ネット上でのやりとりだけでは詐欺師の匿名性が保たれているので、特定に至らなければ逮捕はできません。

 

 

■対処法をアドバイスしてもらえる国民生活センター

国民生活センターは、国際ロマンス詐欺の具体的な被害状況を伝えることにより、アドバイスをしてもらえます。

詐欺師とどのようなやりとりをしたのか、連絡方法は何か、送金の詳細はどうなっているのか、などの事実を具体的にまとめた資料を作成し、見てもらうのが良いでしょう。

情報提供や他の被害者情報の照合、予防対策の提案などをしてもらえます。

 

ただし、警察や弁護士ではないので操作や慰謝料の請求などはできません。

国民生活センターに相談するのであれば、警察などへの連絡も忘れないようにしてください。

 

 

・証拠を掴める可能性がある調査会社

探偵などの調査会社に依頼し、犯人を特定するという方法もあります。

調査会社に依頼すると、ネット上の調査や追跡調査を行い、詐欺師に情報などを集めてくれます。

詐欺にあったという明確な証拠がないと弁護士や警察も相手にしてくれない可能性があるので、まずは証拠を集めるために調査会社に依頼しようと考える方もいるでしょう。

海外に犯人がいると、特に個人で情報を集めるのは難しいです。

そのため、まずは調査会社に依頼し、証拠を集めるところから始めるといったケースも考えられます。

 

ただし、法的な手続きや対応は調査会社の業務外です。

法的サポートまで求めることはできない点を念頭に置いた上で依頼するようにしましょう。

また、調査会社はそこまで多くの人員を雇用していないケースも多いです。

人手が少ないところに依頼してしまうと、対応に時間を要することも考えられます。

 

 

■国際ロマンス詐欺の被害に遭ったらまずは相談

マッチングアプリやSNSを使った詐欺の1つが国際ロマンス詐欺です。

出会いを探しているターゲットを言葉巧みに誘い、お金を騙し取っていきます。

国際ロマンス詐欺師の特徴を把握していれば、リスクを回避できる可能性が高まるので、今回紹介したポイントを踏まえた上で異性と出会うようにしましょう。

しかし実際にマッチングアプリやSNSで理想的な異性に出会うと、夢中になってしまうものです。

万が一被害に遭ってしまった時は、弁護士などが相談窓口になっています。

相談窓口はいくつもありますが、その中でも国際ロマンス詐欺被害に精通した弁護士に相談するのが特におすすめです。