3月6日(金)
今日の妻は、熱も下がり元気に動いている。明日のスープで何が良いか尋ねると、なかなか答えてくれない。
おそらく前回の味を警戒しているのだろう。ちゃんと自分で作ったと説明すると、どちらでも良いという。しょうがないので、カジカ汁にすることにした。
これが一番手間がかからず地の味だからである。
3月7日(土)
今日来てみると、ナースステーションで車椅子に座って寝ている。起こして喫茶でカジカ汁のスープを飲ませた。ちょっとむせたが、20杯近く飲んでくれた。
そして、今日の一番は、右手の人差し指がついに唇に触れるようになったことだ。
いままでずっと出来なかったことが出来るようになる、子供が成長するような感じだ。そして、それが自分でもうれしかったのか、ずっと理解できないがいろいろ話している。
そして、疲れて寝てしまった。おまけに今日は熱が出ていたにもかかわらず、元気だったことがすごい。熱に対応できるようになったのだろうか?
人間の回復は、わからないことが多い。
3月8日(日)
今日来てみると熱が出たようで、氷枕だ。看護師に聞くと38.5度あったそうだ。今日はスープはだめかなと思っていると、妻はスープをのみたがっている。看護師に痰を取ってもらい、スープを飲ませると、少し咳き込んだが、何とか飲んでくれた。今日はほぼ完食だ。熱が出ても、昨年10月のときは、咳き込んだら戻していた。ところが、今日は咳き込むが、戻すこともなくスープを飲んだ。
徐々に飲み込む力がついてきたのだろう。本当に回復していることが実感できる。うれしい限りだ。

3月9日(月)
今日来てみると、熱が下がり元気に動いている。
流動食のときに、看護師が「食事ですよ」といったのに反応して、口をあけて「食べたい。食べたい。」といった。
口から、スープを飲んでいる自信か、妻はもう口から食事したいのだろう。その日はそんなにはかからないと思う。頑張ろう!
3月10日(火)
今日来てみるとまた熱が出た。少し高めだったので様子を見たと言う。でも、元気に動いている。熱があると、痰の絡みがひどい。かわいそうだが、しかたがない。
そして、特に手足を動かすので擦過傷が多い。最近は右手も動くので今日見たら手首に擦過傷がある。とにかく、何とか全体的に回復の兆しだ。
目覚めるのはいつごろだろうか?春とともに目覚めてほしい。
3月11日(水)
今日は仕事の都合で、病院に着いたのが6時半過ぎだった。妻は待ちくたびれて寝てしまったが、無理に起こしてごめんねと言うと、わかったと言う。
けなげに待っていたのかと思うといとしい。熱もなくリハビリも行ったようだ。
明日はもっと長くいられるからねといって、帰路につく。
3月12日(木)
今日来て見ると、誰もいない。看護師に聞くと、監査のため一時的に部屋を移ったと言う。妻は、そのせいか、落ち着かない感じで足をばたばたさせていた。僕が手を取って、来たよと言うと、「うれしい、うれしい。」を連発する。
おそらく心細かったのだろう。けなげな感じに心打たれる。
明日以降はまた元に戻すというから、落ち着いて週末を、迎えられるだろう。ほっとして帰路に着く。