山本ユキHP エネルギーの学校
トウキョウ 死者の書10まではこちら👇
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2016/7/17
「パパ、亡くなるとき苦しくなかった?」
「いや、いつもと変わらなかったから、死んだことに気づかなかったんだよ。お前に幻想のことを話したろ? またその幻想かと思ってたんだよ」
「そうなんだ。苦しくなかったのならよかった」
「体がボロボロだったからな、満身創痍よ。でも、こんなにスムーズだとは思わなかったね、大往生よ」
「いろんな幻想を見たでしょ?あれって何だったの?」
「今思えば、いろんな執着の棚卸しだな。思いが残れば、こっちに来る時に苦しみが増えるからな。俺は最後に無の境地になれたんだよ」
「今日は何をしているの?」
「まぁ、研修だな。前にやっていたことだから、思い出す作業よ。それにしても、こっちとそっちの兼ね合いはよくできているよ。やっぱりあれだな、関係しているのよ」
「こっちの人生で、そっちに行く時に一番の障害になることって何なの?」
「執着心だよ。あらゆる執着心がこっちの意向を邪魔するね。だから無の境地は大切なんだよ。こっちに来れば知識なんてあらゆるところから豊富に手に入れることができる。だけど執着心は全てを阻害するんだよ」
「私たちのこと、見てる?」
「たまに見てるよ」
「そう、どんな思いが湧いてくる?」
「いや、良くやってくれているよ。ママにとにかく気をつけて生活しろって注意してやってくれよ。そそっかしいからな」