免疫チェックポイント阻害薬(テセントリク)、新生血管阻害(分子標的)薬(アバスチン)、細胞障害性抗がん薬(パクリタキセル・カルボプラチン)の併用療法(3週間おきの点滴)を始めて3か月余りが経過した。6月19日を最後にパクリタキセル・カルボプラチンの投与を完了した。

主な継続的副作用は脱毛・高血圧・便秘・好中球減少・下半身のしびれであり、その経過について書いておこう。

 

脱毛:頭髪が2週間で抜け始め1か月でほぼスキンヘッド状態になったが、側頭部・後頭部に2,3センチの細い白髪が低密度に残り完全に脱毛することはなかった。まだ増えているという実感はない。皮脂がすごい。頭を洗っても翌日の午後にはベトベトしているが、洗わなくてもそれ以上増えることもない。髭は口髭と顎髭を伸ばしていたが頭髪が抜け始めるころ剃り落とした。その後すべて生えていないと思っていたら一部やはり白くて細いが伸びているのに気付いた。正確な観察のためにきれいに剃り落としてから4日目だが、明らかに白く細い毛が低密度に3~4ミリ伸びている。これでは伸ばす気になれないので時々剃りながら観察を続ける。そのほかでは眉毛(まつ毛)・鼻毛・陰毛が少し遅れて抜け始め、白黒混じりの眉毛・主に黒い陰毛は残っているが薄くなっていて、最近生え始めているかどうかは確認できない。最も脱毛に影響する細胞障害性抗がん薬をやめたので徐々に回復するだろう。

 

高血圧:以前ランマーク注の副作用と思われる高血圧になり、降圧剤を服用して100以下に下がってきたのでやめたという経緯があった。併用療法でもやはり血圧が上がり降圧剤の服用を続けている。降圧剤を服用して正常血圧(120~130台)なので潜在的な高血圧は毎日続いていると思われる。血圧傾向(点滴の翌週に高くなる)からアバスチンの典型的な副作用と思われる。高くなる時はしっかり安静にしないと160台が出やすく、深呼吸・安静を続けると130~140台になる。先週高い状態が4,5日続いた後、昨日と今日は100前後を記録するなど低めになっている。ただし今週末はアバスチン点滴とランマーク注射が重なるのでたぶん来週は高めになるだろう。

 

便秘:経過は前回書いた通り。昨日は半下痢だったので薬をやめた。翌日の今日も半下痢だったので、薬がだいぶ効いてきたという実感がある。ここから服用をやめられるのか再び服用することになるのか・・・

 

好中球減少:3回目の点滴前に好中球数が1000を切るという危機的な状況になったが、何とか切り抜け前回は2000台後半になっていた。今回3000台以上になっていることが期待される。細胞障害性抗がん薬の影響が強いと思われるので、今週末の血液検査を期待しよう。

 

上記3項目は体に感じることは何もないが、以下は体感の症状がある。

しびれ:3回目の点滴後に下半身全般に強い炎症(ジンジンする痛み)を感じることがあった(半日)。サイトカイン放出症候群が疑われるが詳細原因は不明。その時同時に足先がピリピリする症状があった。この後足(主に脛や指)の軽いしびれとだるさが慢性化した。しびれはパクリタキセルの典型的な副作用とされる。点滴開始時には看護師から毎日「しびれはないか」と聞かれ、そのころは「なあんにも」と答えるのがルーチンだった。ここ2,3日軽い中にもさらに軽症化している気がするので、症状が消えることを期待している。今までも階段を降りるときに少し感じるくらいなのでほとんど支障はなかったが・・。

 

副作用なのか何なのかよくわからない中途覚醒はほぼなくなった。入眠1~3時間後に目覚めて睡眠導入剤を飲むこともあったが、最近は薬のお世話になることはない。また原因不明の胃酸過多は薬が効いているのかどうか不明な状態で、油断すると食道への逆流を誤嚥することはまだある。誤嚥時は不快なのだが胃酸による不快感ではないかもしれない。就寝中の誤嚥は強制的な横向き睡眠で何とか防止している。そのほか副作用として現れやすいとされる、吐き気(嘔吐)・皮膚疾患などはなかった。一時的に息切れを感じたことがあったが今はない。骨転移がきっかけの腰痛は今でもロキソニンの服用を要するが、日常的に痛みやだるさを感じることはない。高熱が出ることはない(36度台後半になることはない)がロキソニンが鎮痛解熱剤であることから基礎的な体温は確認できない。だから37度を超えたら新型コロナ感染を疑わねばならない?