このところ血圧が高めだ。アバスチンの副作用であることは明白だ。

グラフの最高血圧Max(紫色)は前回点滴の6月19日以降に上昇しているのが見て取れるが、今回点滴の7月10日以降は最高血圧MaxもMinも上昇傾向を示している。おそらく今日明日以降は下降に転じるだろう。どうもアバスチン点滴1週間後に血圧上昇して、2週間後には戻るということが今後も続くのだろう。

アバスチンのような血管新生阻害薬は血管内皮増殖因子(VGEF)の作用を阻害して、がん細胞に血管から栄養が供給される(がん細胞が増殖数る)のを抑止する分子標的薬だ。

一酸化窒素(NO)を介してVEGF血管新生に関与するVEGFを阻害することでNO合成酵素がされ、「NO発現低下」や「血管内皮細胞における血管の希薄化」によって血管抵抗性が増加して高血圧につながる。

高血圧にはグレードがありGrade1は最高血圧120~139または最低血圧80~89と定義され、治療が必要なGrade2は最高血圧140~159または最低血圧90~99、Grade3は最高血圧160以上または最低血圧100以上とされている。Grade4は神経障害などが現れる「命が脅かされる」レベルであり、Grade5は「死亡」である。改めて書きグラフを見ると、2回目の点滴(5月8日)後にはGrade3であった可能性がある(Minを見るとぎりぎりGrade2)。Grade3では2種類以上の薬物治療もしくは以前よりも強い治療を要するとなっている。このとき処方されたのはアムロジピン単剤であった。以前ジオトリフ服用中の高血圧時はオルメテックが全く効かずアムロジピンはよく効いたので私にとっては効き目が強いと言える。その後はずっとアムロジピンを服用しているのでベースの血圧はわからない。私は元々高血圧ではなく最高血圧も120台なので、今120台と低くなっても自分にしては高いと思われる。たぶん今はGrade1とGrade2を行ったり来たりしているのだろう。

アバスチンの臨床試験の結果では全グレードの高血圧になる日本人は約14%であり、私は高血圧になりやすい方らしい。もし私がもともと高血圧や循環器系の基礎疾患がある場合なら、厳重管理レベルになるかアバスチン休薬になったかもしれない。

いずれにしてもアバスチンの作用機序(血管新生阻害)も副作用機序(血管抵抗性の増加)も非常に近いところにあって、長く高血圧と付き合っていくことががん治療効果にとっても必要なのだろう。