音楽を担当したスクウェア・エニックスの『グリムノーツ』が本日サービス終了となります。

永久に続くわけじゃない、とは分かっているものの寂しいな、というのが本音です。

サービス開始したのが2016年の1月だったので、4年と少し続いた、というのは昨今のモバイルゲームではすごいことです。
一年持てば立派です、の世界です。

スクウェア時代のゲームサントラで育っている自分なので、やらせてもらうことになったときは本当に嬉しかったし、ドキドキしました。

これは気合い入れなければと思った結果、僕は「ファンタジーだし生音しか使わずにいこう」とか頭のおかしいことを言いだしました。
そんな中、なかなかハードなトラブルがあって、いきなり〆切破りをしたのを覚えています。
石井さんはその事情ならしょうがないです、と言って許してくれました。
とはいえ、開発上の納期は厳然としてあるので、その後の制作のスケジュールには当然しっかり影響が出て、ちょっとおかしな精神状態でなんとか仕上げたのを覚えています。

グリムノーツ、といえば「忘れじの言の葉」だという方も多いですね。
僕から提案した主題歌だった……気がします。

実はあんまり自作って聴きかえさないのですが、この曲はたまに聴きます。

そもそも曲はタイトル画面用に未来古代楽団の松岡美弥子が作ったBGMで「これ、歌でいけるな」と思い、僕がちょっとメロディを足して構成を組み替えて展開を作りました。

諸々の事情で時間がなく、歌詞については本当にずばっと書きました。
この話は石井さんがよくしていますが、一通り出来たのがヴォーカルレコーディングの三日前でリテイクもせず通してくれた……という実はプロとしてはあんまりやってはいけないことをしています。

結果、自分にとって間違いなく代表曲になりました。
音楽家としての自分の文体が一つ確立した、と思っています。

テレビCMにまでなったので、うちの母すら聴いてくれたのは良い思い出です。
なんか、いまだに色んなところで流れているらしく、最近は韓国とかからよくDMが来ますね。

歌ってみたをやっていたダズビーさんの動画を業界の後輩から教えてもらって「すごくいいな」と思って石井さんに聴いてもらったりしました。
その後、グリムエコーズの主題歌、アニメ版の挿入歌までオフィシャルにやってもらえました。

 

 

アニメの劇伴をやる、という夢もこの作品に叶えてもらいました。

やれなかったのはコンサートくらい。
ゲーム音楽業界では過去の作品のコンサートっていうのもよくあるので、ここに関してはまだ諦めていませんよ僕は。(笑)

先日、石井さんたちと内輪でTwitchで配信していたのですが、「グリムノーツが青春でした」というコメントが本当に嬉しかったです。

十年前、ニコニコ動画でPをしていた頃の作品を聴いて業界に入ったんですみたいな話がたまに出てきてびっくりするんですが、久しぶりに青春を彩る仕事が出来たなと。
本当に幸せなことです。

語りたいことは数多くありますが、まあこんなところでしょうか?
聞きたいことあったらコメントなどでどうぞ。
Twitterのリプとかでもいいです。

こちら、すっかり主夫みたいなブログになっていますが、ちゃんと作品は作っているので、またそういう作品を世に送り出せたらと思います。

ありがとうグリムノーツ。