あたしのなまえは、ほなみたまえ。まるちゃんも、みんなも、たまちゃんってよんでくれます。

 

まるちゃん、ひどいよ。びょうきになっちゃったこと、みんなにないしょにするなんて。いちばんのなかよしの、あたしにだけは、おしえてほしかったな。みんな、びっくりしてたよ。

 

でも、ほんとはしってるよ。まるちゃん、みんなを、しんぱいさせたくなかったんだよね。いつも、げんきなまるちゃんが、びょうきになったなんて、みんなが、しんぱいしちゃうもんね。みんなには、いつも、えがおでいてほしい。そうおもっていた、まるちゃんらしいなあって、おもうよ。

 

まるちゃんはいま、どこにいるのかなあ。お母さんにきいたら、まるちゃんはてんごくにいるんだって。ねえ、まるちゃん。てんごくって、どんなところ? お花がたくさんさいていて、みんながにこにこわらってる。そんなところだったら、いいなあ。びょうきの人なんて、だれも、いないところだったら、いいよねえ。

 

まるちゃんは、てんごくで、やすらかに、ねむっているんだって。お母さんは、そう言うけど、あたしはそんなの、うそだとおもうよ。そんなの、まるちゃんらしくないもん。いつも、あかるくて、元気で、みんなをわらわせていたまるちゃんだから、てんごくでも、きっと、みんなをわらわせているんじゃないかなあ。そんな気がするの。ううん、きっとそうだよね。

 

あたしが大人になっても、まるちゃんとは、ずっとなかよしだからね。50ねんたっても、ともだちでいようって、やくそくしたもんね。ちゃんとおぼえてる? まるちゃん。わすれたら、いやだよ。あたしのせがのびて、おしごとをするようになって、もしかしたら、けっこんしたりしても、まるちゃんは、こどものまんまだから、おやつをたくさんもらえるのかなあ。それはちょっと、ずるいなあ~。

 

まるちゃん、ずっと、なかよくしてくれてありがとう。なつやすみがおわって、まるちゃんのいないがっこうに行くのは、ちょっとだけさみしいかも。いつまでも、まるちゃんといっしょに、べんきょうしたかったけど、あたしが、いつまでも、めそめそしていたら、まるちゃんも、かなしいよね。だからもう、ないたりは、しないとおもうよ。

 

まるちゃん、これからも、ずっとあたしのことを、みていてね。それだけは、やくそくしてほしいな。いいよね、だって、あたしたちは、ずっと、なかよし。えいえんに、ともだちだもの。いつか、また、まるちゃんに会えたときには、まるちゃんに「がんばったねえ」っていってもらえるように、あたしはいっしょうけんめい、いきていくよ。まるちゃんのぶんまでがんばるんじゃないよ、いっしょにがんばるつもりで、いきていこうとおもうよ。

 

それじゃあまたね、まるちゃん。みんなが、手をふっているの、みえるよね? これは、おわかれのあいさつじゃなくって、またあおうねの、やくそくだよ。あたしが、もっともっと、大人になって、おばあちゃんになって、おばあちゃんのおばあちゃんぐらいになったら、あえるかな? あたしがおばあちゃんになっても、まるちゃんは、こどものまんま。まるちゃん、やっぱりずるいなあ~。

 

たのしかったおもいでを、いっぱい、ありがとう。せかいでいちばん、だいすきな、まるちゃんへ。