「私は、納豆にマヨネーズをかけて食べるのが好きです」

 

このセリフを聞かされた相手はだいたい9割以上が、路上で吐瀉物を発見したかのような、

あるいは「今日、ゴムつけなくてもイイよね?」と言われた時のような、

それはそれはイヤーな顔をするんですよ、私、知ってます。

 

事実、ワタクシも知り合いの女性が真顔でこのセリフを吐いた時には、

彼女のことが口裂け女に見えました。

そして、その時の私は確か、このようなことを言ったハズです。

 

「お前は馬鹿か。 納豆には醤油だろうが!

納豆にマヨネーズかけるなんて、シルバニアファミリーin雛人形じゃないの……」

 

しかし彼女は眉ひとつ動かさずに、こう言い返してきたのです。

 

「とにかく、やってから言って。 やらなければ永遠にわからないから……」

 

そりゃそうだ、と思いましたよ私は。

やる前から不味い、と決めつけてはいけませんよ。

何か気持ち悪いから嫌、という先入観はいったん捨て去りましょう。

あ、先入観と言うのは先っちょだけ挿入した感じ、という意味ではないですよ?

 

……で、その数日後ですよ。

近所のライフ(杉並区内にたくさんあるスーパー)で、ひきわり納豆を買いましたよ、

夫に先立たれて一人暮らしになった老婆のような表情でレジに並んで。

で、みじめな気持ちでテクテク歩いて帰りながら考えましたさ。

「私は、食べ物を粗末にしてしまうかもしれない」と。

 

で、帰宅してカバンの中から(ライフは言わないと袋をくれないのだ)納豆ね、

面倒だから今後は「ひきわりちゃん」と呼びますね、

その、ひきわり納豆ちゃんをテーブルに置いてね、

まずは手を洗うわけですよ、泡タイプのハンドソープで。

……ところで、ハンドソープと言うとソープ嬢のことを思い出しながら一人で抜く、

みたいなことを思い出しませんかね?

……あ、思い出しませんか、そうですか、すみませんでした。

 

で、

納豆をパックリを開けると中に半透明のシートが入ってるじゃないですか?

アレを取る時って皆さん、何を考えていらっしゃいますか?

彼女のパンティを脱がすところを想像して棒が勃つ、という方が約4割、

めくった後の薄いアレをヒラヒラさせて闘牛士のモノマネをするため、

メキシコのことを考えてマフィア気分でランデブーという方が約3割、

霊安室で亡くなった祖母の顔に乗せられた白い布をめくった日の事を思い出して、

涙がとまらなくなるという方が約2割、

私を含めた残り1割の方は、プレパラートの上に乗っかった薄っすいガラスみたいなのを、

ピンセットで慎重に取り除く時を思い出して緊張するそうです。

※厚生労働省調べ

 

そんな日本人のそれぞれの想いはどうでもよくて、半透明のアレをひっぺがしたら、

いよいよマヨネーズちゃんの注入です。

川崎市で購入したマヨネーズは「川崎マヨ」ですね、みたいなギャグはカイヤが大激怒するのでヤメましょうね。

 

で、だいたい生牡蠣ひときれ分ぐらいのマヨをひきわちゃんにブッかけて、

タレとカラシももったいないから一緒に混ぜちゃってオン・ザ・ライス。

そして一気に頬張ってみた訳ッスよ。

 

……お、美味しいっ!!

 

私、この日を境にひきわりちゃんには必ずマヨネーズですよ。

英語で言うところの、ボールビーンズ・ウィズ・ホワイトソースですよ。

断言します。

納豆とマヨネーズの相性はバ・ツ・グ・ン。

田端駅前のパチンコ屋はショ・ウ・グ・ン!!

(急に言わねばならない気持ちになった) 

 

ところで、キューピーマヨネーズの原材料って何か答えられる方って、

どれぐらいいらっしゃいますかね?

正解は食用植物油脂(大豆を含む)、卵黄、醸造酢(りんごを含む)、食塩、アミノ酸、香辛料、香辛料抽出物だそうです。

 

……どれも納豆と相性が良さそうな気がしませんか?

そもそもシーチキンとマヨネーズ混ぜちゃって握り飯にブチ込んだやつを、

「ツナマヨおにぎり」として子供が喜んで食べてるんだから、納豆もアリでしょうよ。

 

というわけで難しく考える前に未体験のアナタもレッツ・チャレンジ一年生!!

 

 

(※7割ぐらいの人は「やっぱタレだけでイイや」という気持ちになるそうです)