「スロットで負けた夜、人は詩人になる」
そう言ったのは、
僕のかつての友人(現在、絶賛失踪中)ですが、
まさにその通りだと思います。
今、私の、願い事が。
叶うならば、翼が欲しい。
この背中に、鳥のような。
白い翼、つけて下さい。
そしてパチンコ店の無い、自由な世界に連れて行って下さい。
・・・・・三日ぐらいで飽きて帰りたくなると思いますが。
とまぁ、そんな現実逃避をしたくなるぐらいに。
己の頭皮を剥がしたくなるぐらいに、勝てませんスロット。
ここまで勝てないとですね、もう朝起きた段階で憂鬱なんです。
「ああ、今日はいくら負けるのかしら?
できれば今スグ、誰かがチェーンか何かで身体を縛ってくれないかな?
そうすれば、パチンコ店に吸い寄せられる事もないのに・・・」
と、半分本気で考えているのです。
でも。
いざ店についたら、そんな事はスッカリ忘れているのです。
で、うまい具合に午前中にちょこっと連チャンなんかしたりすると、
「ああ、今日まで生きてきて本当に良かった・・・
ロマンスの神・・・じゃなかった、スロットの神様どうもありがとう!!」
なんて事を考えるのですが、
連チャンが市役所の窓口のようにピシャリと終了したとたん、
いつものようなハマリ街道(直線500キロメートル)を爆走し始めるのです。
気がつくと、脳内で、
「お金を下ろしたあと、台に座ったとき 気がつくと
いつも台間サンドに 5万投入 ク・ソ・ハ・マ・リのサイン」
という、「逆未来予想図Ⅱ」という曲が流れ始めるのです。
この曲が流れたら、安西監督ですら、
「あきらめないと、いつまでも試合終了になりませんよ・・・」
と、弱気な気持ちになるんじゃないか、というぐらい当たりません。
強チャンス目が出ようが、
強スイカが出ようが、
京唄子師匠が漫才を始めようが、
ボーナス、雲のかなたに。
まーーーったく、当たらなくなってしまいます。
挙句、天井直前にタネ銭切れ。
売られていく子牛のような気分で席を立つや否や、
背後でビッタリと待ち伏せしていた将棋の羽生名人似のサラリーマンが、
待ってましたとばかりのニヤケ顔で台にタバコを放り投げるのを横目に、
思考能力ゼロでフラフラを店を後にするのでした・・・・。
そして帰り道。
冷たいアスファルトの上をよろめきつつ、
命を削るかのように歌う曲は・・・・・
「あいを~く~だ~さ~い、
うぉううぉう、
あいを~くださ~~いぃぃ~~、ずぅ~~、
ちゅ~ちゅ~、とれぃぃぃ~~んんん♪」
↑それはZOO違い。
詩人が死人になるまで、もうそんなに遠くないで~す!!
あはははははは・・・・・。