新しく始まりました、新シリーズ。


「パチスロスーパースター列伝」


このコーナーでは、パチスロを通じて知り合った人について、


思い出す限りのエピソードを交えて、書き連ねていこうと思います。


特にギャグとかは絡めませんので、許してチョーヨンピル。



記念すべきかどうかわからない第一回目は、


僕がこの業界で最初に勤めたお店の同僚である、


コハヤシ君(一応、仮名)について書きます。



コハヤシ君は、元ボクサーでした。


鍛え抜かれた上半身は、北斗の拳に出てくる強ザコみたいでした。


本人もそれがご自慢のようで、よく職場の女子に、


「本気でパンチしてみ?」といって、


女子からの腹パンチを笑顔で受け止めていました。


それを横目に僕はいつも、


「別に服の上からのパンチでも良くね?」


と、冷やし茶漬けのような感情を抱いておりました。



そんな彼も大のパチスロ好きで、早番終わった後や、


遅番の始まる前に、よく連れ打ちに行っていました。


当時は「ニューパルサー」(山佐)が圧倒的な設置台数を誇っておりまして、


彼と打つのも、専らそればかりでした。



が、連れ打ちの際に、困った問題がひとつありました。


彼には、


「パチスロは、極めて正確にビタ押しすれば、いつでも777が揃う」


という残念な持論があったのですw


そして彼はまた、動体視力に優れたボクサー崩れ。


左ボタン、中ボタンを止めて、


右ボタン停止時は右フックでビタ押し


ハマリ時には、その黄金の右は破壊力を増し、


シマに響く「ドスン!」という香ばしい音に、


隣で打っていた僕は、いろんな意味で恐怖を感じていました。



とはいえ、「リーチ目」が出たら、


「ビタ押しじゃなくても777が揃う」


という事はご存知だったようで、


リーチ目が出ると上機嫌になって、輪島巧一のモノマネを披露しながら、


777を揃えていたのがとても印象的でした。



僕がこの職場を離れて数年後、彼は職場にいた年上の女性と結婚して、


奥さんの家業のお手伝いのために、東京を離れたと聞きました。


今も、どこか遠くの空の下で、


あの豪快な右フックで、7をビタ押ししているのでしょうか?


もしも、また会える日が来るのならば、


昔みたいに輪島巧一のモノマネで笑わせて欲しいなぁ・・・。


と、今でもたまに、そんな事をふと思い出したりするのでした。