久々に「ぱち&すろ」の回顧録をすすめちゃいましょうね。
(競馬の記事書いて時間軸がズレてしまいましたが・・・)
☆前回までのあらすじ☆
高校を卒業し、渋谷にある専門学校に通う砂肝19歳。
周りに集まったのはやっぱりパチ、スロ好きの奴らばかり。
そこで知り合った男、マッチー。
ある日の午後、彼と一緒に「新装開店」へ行く事になりました。
西武池袋線の江古田駅近くにある、小さなパチスロ専門店。
時刻は間もなく、午後6時。
その店先に連なる長蛇の列の先頭に、僕等は陣取っていました。
導入される新台は「ムサシⅡ」(パイオニア)。
その時点ではその機種の詳細は知らなかった。
というより、この機種に関しては打った事が無いので語る術を持たない。
なぜならば。
僕らが開店と同時に店内になだれ込むと、なぜか新台にはタバコがw
そしてあまつさえ、既に着席している人さえいるのである。
その店の入り口はひとつなのに。
「なーんか、胡散臭え店だなぁ」
そんな印象を抱きつつも、店内の奥にあった台に、
マッチーと肩を並べて着席する事となった。
その台が「アラジンⅡ」(サミー工業、現在はサミー)である。
さてこの「アラジンⅡ」。
このブログをご覧の、そろそろメタボが気になるスロッターなら、
一度は触れた事があるのではないでしょうか。
全リールが「ヌルリ」と大きくスベって、何も揃わなきゃボーナス。
この「大スベリ」の違和感が快感であり、
この機種の大きな魅力ですね。
この「大スベリ」は後継機「ミスターマジック」にも継承され、
5号機の「ミスマジネオ」でも復活したので、
砂肝、今年ほんの少しだけハマった時期がありましたw
話を戻しますが、この「アラジンⅡ」。
新台を打てなかった事で、やや不機嫌にプレーしていたものの、
やがて、リールが大きなスベリを伴って停止しはじめて、
「はよ揃えろや」感を醸し出してきました。
が、ここで、問題発生。
「右リールの7が見えない」
アラジンⅡの7は、ピンク色をしていて目立つのだ。
しかもリールの継ぎ目にあるので、決して目押しの難易度は高くない。
にも関わらず、テンパイした7が全く揃わないのだ。
(これは後で気付いたのだが、僕は7が「見えた!」と認識した時点で
押していたので、押すタイミングでは既に7が通過した後だったのだろう。
以来僕は目押しを人に教える際は、引き込みも考慮し、見えた絵柄を
枠上に狙うように、と説明するようにしています)
これは困った。
マッチーは大当たりゼロで、不機嫌そうに打っている。
が、何度狙っても、揃わないものは揃わない。
仕方が無いので、
「マッチー、悪いっ!7揃えてくんない?」
と頼むと、彼はクールな表情で、ピタリと右の7を止めてしまうのだ。
その後はマッチーも777が揃い、二人してマッタリした展開になるも、
遂にその時がやってきた。
僕の台に、駱駝絵柄が揃いだす。
2回。
3回。
アラジンⅡ最大の魅力であり、前作「アラジン」から受け継いだ、
伝説の集中役「アラジンチャンス」。
通称「アラチャン」。
遂に、大爆発の狼煙があがったのである。
「よっしゃぁ!!こっから見てろよ!!マッチー!!!」
そんな目で彼をみると、彼は不思議そうな表情をしていた。
何もわかっていなかったのは、僕の方だったのだ。
果たしてその「アラチャン」は期待空しく、即パンクしてしまう。
「そんなぁ、ウソだろ・・・。」
期待を裏切られた不満をマッチーにぶつけようとすると、
偶然にも彼の台にもアラチャンの気配が。
そしてラクダが数回揃うと、僕同様に即、パンクしてしまったのだ。
僕が「お互いついてないねぇ」という言葉を吐きかかったその瞬間、
マッチーは一言だけ「ここからだね!」
と悠然と言い放ったのだ。
「は?集中即パンクさせといて何言ってんの?マッチー、馬鹿??」
この時はそう思った。
が、馬鹿なのは僕の方だった。
お互いの台は、この集中即パンクを皮切りに、
ビッグボーナスの連チャンを開始するのである。
スベリまくるリール。
あふれ出すコイン。
気がつけば、マッチーも初期投資を充分補うだけのコインを、
頭上のドル箱へたたえていました。
僕のほうも、マッチーに目押しを助けてもらいつつ、
大量のコインをGETすることができました。
新台「ムサシⅡ」のあり得ないドル箱の山に羨望の眼差しを注ぎつつ、
店を後にしたあの日から、15年。
今になって思うのは、当時のBモノ全盛期においてその代名詞ともいえる、
「アラジンⅡ」(ノーマルも十分楽しいが)。
その特性を知った上でも、僕が聞かなかったために説明しなかった、
マッチーという男。
余計な薀蓄をたれる訳でもなく、でしゃばった事をするでもなく、
僕が困った時にだけ、必要最低限かつ的確なアドバイスや手助けをしてくれた、
この男は本当にカッコイイと思うのだ。
クールなスタイルと、パチスロに対する内に秘めた情熱。
マッチーは高身長のルックス以上に、格好イイスロッターだったのである。