もうひとつ、サンタクロースについての思い出があります。
もう10年も前の話ですが、僕は当時、某ハンバーガーショップに勤務していました。
クリスマスが間近に迫ったある日。僕はサンタの衣装を着て店頭で割引クーポンを配布していました。
すると数メートル先に、僕とたいして年齢の違わないであろう若い母親と、彼女のコートの裾を引っ張りながら僕をじーっと見つめる、4さいぐらいの男の子がいました。
やがて少年は母親に促され、てけてけと僕の元へとやって来て、小さなその両手を差し出してきました。
その手にクーポンを手渡してあげると、少年は照れたように小さく笑って、次にこう問いかけてきました。
「さんたさんは、くりすますのひに、ぼくんちに、きてくれますか?」と。
今なら「そりゃ君の家の台所事情によりけりじゃないか?」という スーパードライな回答をする所ですが(笑)、当時の僕は少年の頭をなでながら、ゆっくりとこう答えました。
「もちろん行くよ。でも、ちゃんとお母さんの言う事を聞かない悪い子の所へは、サンタのおじさんは行ってあげないよ。わかったかな?」と。
少年は上目遣いの小さな瞳を潤ませて、大きくうなずくと、満面の笑顔で一目散に母親の元へと走って行きました。
そんな出来事の一部始終を話す僕に同僚は、「砂肝さんは嘘つきだなぁー」と言いました。
あれから10年。
あの少年は僕のついた嘘をどう思ったのだろうか。
もう、忘れてしまっただろうな。
でも僕は、子供にはほんの少しでも長く、サンタの存在を信じていて欲しいのです。
いつしかその手は汚れ、いつしかその瞳は濁り、それでもずっと生きていくのだから。
大人には、子供の「見えないものを信じる力」を養う義務があるんじゃないか?
なんとなく、今でも、そう思っています。
もう10年も前の話ですが、僕は当時、某ハンバーガーショップに勤務していました。
クリスマスが間近に迫ったある日。僕はサンタの衣装を着て店頭で割引クーポンを配布していました。
すると数メートル先に、僕とたいして年齢の違わないであろう若い母親と、彼女のコートの裾を引っ張りながら僕をじーっと見つめる、4さいぐらいの男の子がいました。
やがて少年は母親に促され、てけてけと僕の元へとやって来て、小さなその両手を差し出してきました。
その手にクーポンを手渡してあげると、少年は照れたように小さく笑って、次にこう問いかけてきました。
「さんたさんは、くりすますのひに、ぼくんちに、きてくれますか?」と。
今なら「そりゃ君の家の台所事情によりけりじゃないか?」という スーパードライな回答をする所ですが(笑)、当時の僕は少年の頭をなでながら、ゆっくりとこう答えました。
「もちろん行くよ。でも、ちゃんとお母さんの言う事を聞かない悪い子の所へは、サンタのおじさんは行ってあげないよ。わかったかな?」と。
少年は上目遣いの小さな瞳を潤ませて、大きくうなずくと、満面の笑顔で一目散に母親の元へと走って行きました。
そんな出来事の一部始終を話す僕に同僚は、「砂肝さんは嘘つきだなぁー」と言いました。
あれから10年。
あの少年は僕のついた嘘をどう思ったのだろうか。
もう、忘れてしまっただろうな。
でも僕は、子供にはほんの少しでも長く、サンタの存在を信じていて欲しいのです。
いつしかその手は汚れ、いつしかその瞳は濁り、それでもずっと生きていくのだから。
大人には、子供の「見えないものを信じる力」を養う義務があるんじゃないか?
なんとなく、今でも、そう思っています。