★前回までのあらすじ★

謎の組織に毒薬を飲まされ(中略)高校生砂肝。

遂に初めて手を出してしまった「パチスロ」。

初めてのBIGボーナスはあまりにもあっけなく、そして何の感動もない

退屈なものだった。ところが・・・・・



「ビッグバン」を打った数日後の夕方。


エロ漫画でも立ち読みしようかと「のも」(東村山駅近くの本屋)へ向かう僕は、


中学校時代の同級生でもあり、悪友のY君と駅前で遭遇しました。


Y「おー!久しぶり!最近なにやってんのぉ?」


砂「ん?いやーバイトして、パチンコ行ってとか、そんな感じだよ」


Y「おぉ!だったら今からスロット打ちに行こうゼ!バニー!」


こんな感じの会話だったと思う。


久しぶりにあったY君は、中学時代と変わらない軽いノリで、


パチンコに誘ってきた。



その日は平日。


相変わらず学校にも行かずパチンコに行ってしまった僕は、


午前中にハネモノ「うちのポチ」を打ち止めにして手持ちが幾らかあったので、


気軽にOKして、東村山のイトーヨーカドー前にあるパチンコ屋へと向かった。


ところが。


Y君は何の迷いもなく、人っ子一人いないパチスロコーナーへ。



そこにあったのは「バニー」。


そう、2号機世代なら誰もが知る名機「バニーガール」(オリンピア)だ。


勿論、この時点ではそんな事は知る由も無く、


Y君に倣ってサンドに千円札を投入し、メダルを筐体へ投入していく。


「ポヨーン、ポヨーン、ポヨーン、ピキピキピキ・・・・・」


「ビッグバン」とは明らかに異質な、


甲高い、耳障りなリール停止音と小役払い出し音。


そして、あっというまに尽きてしまった千円分のメダル。


砂「・・・・・・・・・・。」


明らかに退屈そうな俺のオーラを察したのか。


それとも僕の懐具合を心配したのか。


Y「やっぱ、ヤメよっか。ってか、何する??」


お互いあっという間に千円ずつお店に寄付した後、


再び駅前に向かった僕達は、酒屋でバドワイザーを2本買い、


夕陽の射さないビルの谷間の縁石に腰掛けながら、


「つーか俺ら、バンドやらねぇ??」と語る彼の話を、


否定も肯定もせず聞き流しながら僕は、


淀んだ目で茜色の空を眺めながら、


「あーあ。何やってんのかなぁ、俺は」


とボンヤリ酔った頭で考えていた。


心なしか、夕闇に染まりゆく空は滲んで、


消えかけた雲はグニャリと歪んで見えた。



この日。


もしも、この日を境にパチスロを打たなくなっていたら。


時々、そんな事を考えることがあります。


が、この「バニーガール」が僕の今なお続く「回胴魂」を、


間もなく覚醒させる事になります。


その話は当ブログ初の「後編」に続きます。


ちなみにこの日のビールは僕のオゴリでした。


Y君はこの10年後、東村山市内でオオハナビを打っていました。


お互い、変われなかったようです(笑)。