しゃんねーん!びぃぐみぃいいいやぅ!


吉田しぇんしぇ~い!!(※砂肝の中3時の担任の先生。実名。)



先生、お元気でしょうか?


俺はすっかりアレな感じになってしまいましたが、元気です。




さて、今回は、パチンコ「一発台」の話をします。


高校生時代の俺はハネモノ「スカイヒーロー」の他に、同じく平和の「たぬき丼」、


三共の「うちのポチ」、西陣の「パチンコ大将」なんかを好んで打って、勝っては


CDを買い込んだり、負けてはため息をついてバイトに行く、という生活をしていました。


当時その店にはそれらのハネモノの他、デジパチ、パチスロがありました。


(これらについてもそのうち書きます)


そして何と言っても「一発台」がありました。


パチンコの一発台をご存知無い方のために、ものすごく大雑把かつ乱暴に説明すると、


「Vゾーンに一発玉が入れば店が決めた数の玉が出るまで出っぱなしになる」


という台である。


その店だとハネモノなら、当たったり飲まれたりしながら、時間をかけて打ち止めで3,000発。


が、一発台なら、ワンチャンスをモノに出来れば瞬く間に4,000発である。


負けが重なったギャンブラーが一発逆転を狙うのは、


売れなくなったアイドルがヘアヌード写真集を出すのと同じで、


まさに「お約束」でもあると同時に、最終手段でもあるのだ。



ある日の俺はとうとう、禁断の「一発台」に手を染めてしまう。


台は三共の「スターライト」。


玉を弾きはじめてから、恐怖を感じるまでには時間を要さなかった。


瞬く間に上皿から玉が無くなっていくのだ。


何故ならハネモノと違い、一発台はほぼ全ての玉がアウトに流れてしまうのだ。


「このままじゃヤバイ」と思いつつも、異様な緊張感が全身を覆い、


ただハンドルを握る事と、小銭を投入する事しか出来ない。


絶望と後悔・・・押し寄せる負の感情に逡巡していた、


まさにその刹那。


一発の鈍色の玉が「ヌルリ」という聞こえぬ擬音とともに役物内に侵入したのだ。


「!!!!!」


この時の全身の産毛が逆立つような危険な快感を、当時の一発台ファンなら、


全ての人にご理解して頂けると確信しています。



果たして運命の一球は、


クルーン内を時の流れのように右回りで何度もクルクルと弧を描く。


そして俺の感情を散々弄んだ後に、


さもシナリオ通りだとでも言わんばかりに、Vゾーンへと吸い込まれたのだ。




あまりのあっけ無さに、何も考えられなくなる俺。


だがしかし。


大当たりを告げるファンファーレも鳴らなければ、


祝福のトップランプも点灯しない。


ましてや、肝心の出玉が伴わない。



・・・目の前で繰り広げられた歓喜の瞬間は幻だったのだろうか?


それとも、俺の見間違えだったのだろうか??


呆然とハンドルを握りしめているうちに、


気がつけば全ての持ち玉を失っていた。


「一体全体、どうすれば良かったんだ?」


だが、金も玉も尽きた今、とるべき行動はただ一つだけだ。


俺はまだ何かを諦めきらない気持ちを振り払い、席を立った。




その事実を知るのは後日であった。


一発台のV入賞後は、右側にあるチューリップが開放される。


その状態で、「右打ち」して始めて出玉を獲得できるのだ。


俺はその事実を知らず、またその事を教えてくれる人が誰もいなかったため、


「大当たりの権利が発生している台」をそのまま放棄してしまったのだ。



知らぬが仏という言葉がある。


だが俺は知ってしまった。


知ってしまった以上、無知とは罪なのである。


この日、俺はその事を身体で思い知らされたのだ。



だがしかし、時を経て今となって思うのは、


一発台やハネモノによって、盤面上や役モノ内での玉の動きを楽しむという、


パチンコという遊技の本質を学べた事は、今の俺の「パチンコ観」にとって


大きな部分を占めています。


そしてその事に対しては強く喜びを感じています。