【26】

「ところで、ヤマザキさん、あいつの処遇なんですけど、クビにしたほうがいいですかね」

「どうでしょう。それは、そちらの会社におまかせしますが、クビはちょっときつすぎのような気がしますね」

「でもね、会社に損害を与えるような者を置いとくわけにはいきませんね」

「それじゃ、千葉の袖ケ浦に重機ヤードがあるでしょう。あそこへ送ったらどうですか」

「それもいいですね」

「会社の電話を受信専用にして、ピンクの電話でも置いておけばいいですよ」

「そうしますか」

「そこでしばらく頭を冷やして、もとに戻れるようなら、もどしてあげればいいじゃないですか」

「もとに戻れるようになりますかね」

「それは、そちらの判断にお任せします。私のほうでは、すみましたので、おかげさまで」