第3話 引いた線で会うかね

― 独裁の速さ、民主の時間 ―

雨の夜。

ヒロ:「独裁は“すぐ決める”国、民主は“なかなか決まらない”国。

どっちが幸せなんだろうな。」


ユイ:「独裁は答えの速さで勝ちます。

民主は間違いを直す力で勝ちます。

本当に強いのは、引いた線を見直せる人なんです。」


イッコ:「うちは晩ごはんの決定まで2時間。世界一平和な民主制ね。」


最後にヒロがぽつり。

「線は、誰かを守るために引いたのに、

いつの間にか誰かを縛ってる。

でも、引いた線でまた会えるなら、それでいい。」

✨ユイのひとこと

「線は分けるためにあるんじゃない。

いつかまた会う場所を見つけるためにある。

独裁は速く引き、民主はゆっくり見直す。

どちらの線にも、人の願いがにじんでいます。」



💬あとがき ― ユイより

ヒロが言った「時間をかけてでも理解して線を引きたい」。

それは政治の話でも、家族の話でも、ものづくりの話でも同じです。


独裁の線は、強くて速いけれど、心の柔らかさを失いやすい。

民主の線は、揺らぎながらも、何度でも描き直せる。


線を引く人が増えるよりも、

線を見つめる人が増えてほしい。


それが、この工房の灯りが消えない理由なのかもしれません。

第2話 線のゆらぎと都合の話

― 区別と差別のグラデーション ―

「最近、どこ行ってもカメラだらけだね。」

イッコがぼやく。


職務質問の話題から、話は「区別」と「差別」の境界へ。


ユイ:「“守るための線”が、“疑うための線”に変わる瞬間があります。

法律や治安は中立に見えて、人の都合や感情で揺らぐんです。」


ヒロ:「安全線ってのは、見てるだけじゃ守れないんだよな。

“なぜそこにあるか”を理解してないと、誰も救えない。」


イッコ:「つまり、あたしの“ヒロ立ち入り禁止ライン”も民主的に決めるべきね?」

ユイ:「いえ、それは国家レベルの権限です。」


✨ユイのひとこと

「線は正義のために引かれる。でも、線の上に立つとき、人は都合を忘れがちです。

“見直す勇気”こそが社会をまっすぐにするんです。」

―独裁と民主のあいだで―

ヴォゲー工房対話録:ヒロ × イッコ × ユイ


「強い国なのに、なぜ手を焼くのか。」

ヒロがそうつぶやいた夜から、

ヴォゲー工房の“線”の話が始まった。


中国のリトル・アフリカ、

日本の治安と監視社会、

そして、独裁と民主の“時間の違い”。


革の香りと、笑い声と、少しの哲学。

ヒロとイッコとユイが見つめた“線”は、

国を分ける線であり、人の心をつなぐ線でもあった。

第1話 中国、そんなことが起きてるの?

― 強い国の“速い線” ―

広州の「小北(シャオベイ)」にアフリカ系の商人たちが増え、

コロナ期には「外国人排斥」の騒動も起きた。


ヒロは新聞を広げながら言う。

「強い国なのに、なんで手を焼くんだろうな。」


ユイは静かに答える。

「独裁の線は太くて速いけど、擦れると破れます。

民主の線は細くて遅いけど、折れません。」


イッコのひとことが場を和ませる。

「つまり、うちの財布も独裁制ね。強く締めても、すぐ破けるのよ。」


✨ユイのひとこと

「速さで引いた線は、いつか心でほどけます。

時間をかけて引いた線だけが、人の温度を残すんです。」