一部の細菌などに対し、抗体を作りにくくしている「免疫のブレーキ」と言える人体の仕組みを、筑波大大学院人間総合科学研究科の本多伸一郎講師と渋谷彰教授らが見つけた。「ブレーキ」を一時的に外す薬を作れば、ワクチン効果の増強などに応用できるという。15日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
細菌などが人体に入ると、体内のリンパ球が「IgG抗体」を作って攻撃する。ただ、表面を「多糖類」という物質で覆われた肺炎球菌などにはIgG抗体ができにくく、ワクチンも効きにくい。だが、理由は謎だった。
本多講師らは、働きがよく分からなかった別の種類の抗体「IgM抗体」に注目。リンパ球から、IgM抗体と結びつく受容体をなくしたマウスを、遺伝子操作で作った。
マウスに肺炎球菌などと構造が似た化学物質を注射すると、普通のマウスの約10倍のIgG抗体ができ、化学物質を攻撃した。12週間後に再び、同じ物質を注射すると、IgG抗体の中でも攻撃力が強いものが、1度目の実験より約5割増えた。こうした実験から、IgMが多糖類に覆われた菌などへのIgG抗体の生産を抑えていると結論づけた。
渋谷教授は「IgMは、免疫が過剰に働きすぎて体を傷つけるのを防いでいるのではないか。ワクチン注射の際だけIgMの働きを止める薬を作れば効果の増強につながるだろう」と話している。
細菌などが人体に入ると、体内のリンパ球が「IgG抗体」を作って攻撃する。ただ、表面を「多糖類」という物質で覆われた肺炎球菌などにはIgG抗体ができにくく、ワクチンも効きにくい。だが、理由は謎だった。
本多講師らは、働きがよく分からなかった別の種類の抗体「IgM抗体」に注目。リンパ球から、IgM抗体と結びつく受容体をなくしたマウスを、遺伝子操作で作った。
マウスに肺炎球菌などと構造が似た化学物質を注射すると、普通のマウスの約10倍のIgG抗体ができ、化学物質を攻撃した。12週間後に再び、同じ物質を注射すると、IgG抗体の中でも攻撃力が強いものが、1度目の実験より約5割増えた。こうした実験から、IgMが多糖類に覆われた菌などへのIgG抗体の生産を抑えていると結論づけた。
渋谷教授は「IgMは、免疫が過剰に働きすぎて体を傷つけるのを防いでいるのではないか。ワクチン注射の際だけIgMの働きを止める薬を作れば効果の増強につながるだろう」と話している。