
活動銀河の中心にある超大質量のブラックホールから、光速に近い速度で双方向に噴き出すジェット(素粒子の噴流)の想像図。
巨大銀河が高いエネルギーを持つ電磁波「ガンマ線」を大量に放射する様子を、日米欧の研究機関が参加する国際天文衛星「フェルミ」が観測した。この銀河については過去に別の天文衛星がガンマ線を放射していない状態を観測。新旧の観測結果の比較により、ガンマ線放射前後の銀河の変化を世界で初めてとらえることができた。
成果は、米航空宇宙局(NASA)のホームページで公開。研究チームの片岡淳早稲田大准教授は「ガンマ線は、銀河中心のブラックホールが周囲の物質を引き寄せるときに発生する。今後の変化を調べて、銀河の性質や構造を明らかにしたい」と話している。
この巨大銀河は、地球から2・3億光年離れたペルセウス銀河団の中心にある「NGC1275」。フェルミは2008年8月-12月の観測で、強いガンマ線放射を確認した。
1991年-2000年に別の天文衛星が観測した際にはガンマ線放射は見つかっておらず、研究チームは2000年から08年までの間に、放射を導く何らかの現象があったと結論付けた。
フェルミは、日米欧が共同で08年6月に打ち上げた。広島大が開発を担当した高感度のガンマ線検出器の搭載などが特徴。今回はNGC1275以外でも、これまで放射が確認されていなかった銀河からの微弱なガンマ線検出に成功した。
こういった発見により、宇宙での高エネルギーガンマ線のさまざまな発生源が解明されるだろう。