2008年1月に読んだ本 | 砂場

砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)
原書房
三津田 信三(著)
発売日:2007-04
おすすめ度:3.5


このミス2008年版、国内篇5位。横溝正史的のホラー的な怖さを強調した本格推理小説。恐怖小説のような殺人現場の描写と不可思議な謎で、物語に引き込まれる。複雑に入り組んだ謎が解かれる終盤が見事だ。本格推理ファンは楽しめる。


空を引き寄せる石
白水社
蜂飼 耳(著)
発売日:2007-01
おすすめ度:5.0



詩人・蜂飼耳によるエッセイ。詩人ならではの独特の感性が溢れる。微かな心の揺らぎを捉え、鮮やかに言葉に置きかえる様は、エッセイでありながらも詩人としての著者の才能がいかんなく発揮されている。著者、曰く「本とは、要するに、他人の声なのだ。視線で文字を撫でるとき、声の記録は、読む者の肉体の深部に降り立ち、再生される。それは重みのある霧のようにしばし滞留する。」


悪人
朝日新聞社出版局
吉田 修一(著)
発売日:2007-04
おすすめ度:4.5



本屋大賞ノミネート作。犯罪の加害者、被害者、その家族や周りの人間たちを描いた群像劇であり、逃亡劇であり、純愛小説でもある。些細なきっかけが積み重なり、多くの人の人生が狂う。それぞれが背負ってきた人生、事件との関係性によって、その人生の変化は千差万別だ。だが、それ誰もが自分であるかも知れないと気づくとき、この小説の背負っているテーマが胸に突き刺さる。読み応えのある本をお探しのかたは、ぜひ。


無間道
集英社
星野 智幸(著)
発売日:2007-11



地獄を描いた3編からなる連作短編集。道端に死体が転がる、死が蔓延した世界。完全な国家の監視下の元で社会が運営されている世界と、その果て。、そして、どこにでもありそうな高校生活でのイジメ。悪夢から覚めてもまた違う悪夢が待っているという無間地獄の物語たち。もがけばもがくほど地獄にはまりゆく。




貧困の定義がよく分からないので読んでみたら、やっぱり貧困の定義は難しいということがよくわかった。前半は教科書的な部分が多く国際的な貧困の定義やその種類、計算法などだが、後半は貧困の問題点を検討するなど、かなり考えさせられる。貧困問題に関心のあるひとは一読に値する良書。『貧困は、人々のある状態を「あってはならない」と社会が価値判断することで「発見」される。』『貧困を「再発見」することは、結局、「私たちの社会」がどうあるべきかを考えることにつながってゆく』


赤い糸 上
ゴマブックス
メイ(著)
発売日:2007-01-26
おすすめ度:1.5
赤い糸 下
ゴマブックス
メイ(著)
発売日:2007-01-26
おすすめ度:1.0

Amazy



ケータイ小説とはどういうものか勉強のために読破。2007年の年間ベストセラー総合8位(日販調べ)という大ベストセラー。トーハンだと逆転してるけど日販だと恋空より売れていた模様。物語の開始時点では中学2年生という設定だが、なんだかドロドロした脚本の昼メロを見ているような悲劇と不幸の連鎖がつづく。とりあえず、これは文章で書かれた物語ではあるけれど、小説ではない新しいジャンルの何かだろう。