『「世界征服」は可能か?』岡田斗司夫/ちくまプリマー新書 | 砂場

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「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)



世界征服について様々なアニメの悪の組織を検証し、支配者の性格による世界征服のパターンや、実際に世界征服を行うときの様々な注意点などを分析する。面白おかしく世界征服をシミュレートしながらも、「悪とは」「支配とは」「世界とは」などについて考えていくという、取っ掛かりはバカバカしいけれど奥深い内容になっている。

目次

はじめに なんで「世界征服」なのか
第1章 世界征服の日的
1、『仮面ライダー』と『北斗の拳』の場合
2、「世界征服」の四つの目的
その1 「人類の絶滅」
その2 「お金が欲しい」
その3 「支配されそうだから逆に支配する」
その4 「悪を広める」
その他:目的が意味不明
第2章 あなたはどんな支配者か?
1、人類はカタツムリを支配している?
2、支配者の四つのタイプ
Aタイプ:魔王 「正しい」価値観ですべてを支配したい
Bタイプ:独裁者 責任感が強く、働き者
Cタイプ:王様 自分が大好きで、贅沢が大好き
Dタイプ:黒幕 人目に触れず、悪の魅力に溺れたい
第3章 世界征服の手順
1、第一段階 目的設定
2、第二段階 人材確保
3、第三段階 資金の調達と設備投資
4、第四段階 作戦と武装
5、第五段階 部下の管理と粛清
6、最終段階 世界征服・その後 夜景を見ながらお酒を…/銅像と教科書/「支配階級」の形成/ハーレムの役割/「後継者」という問題
第4章 世界征服は可能か?
1、「自分だけ豊か」はありうるか
2、「支配」とは何か?
3、「世界征服」にはうまみがない
4、結論:これが「世界征服」だ

僕は面白く読んだのだが、アマゾンのレビューでは批判的な意見も多かった。論点がまとまってないとか、無駄が多いとか、世界征服の詰めが甘いとか。確かにそういう指摘も分かるけど、これは「ちくまプリマー新書」だから、基本的に中高生向けに書かれているわけで、緻密な論理や深い考察よりは、楽しく最後まで読めるかどうかが大事だ。そのあたりはよく出来ていると思う。 1時間半ぐらいで読めるし。

世界征服の論理的な緻密さではなく、何よりこの本は世界征服について考えさせられるのがいい。「支配とは」「悪とは」「世界とは」何なのか。(支配についての話のなかで「幼稚園児を支配しても、それはただの世話である」という指摘は面白かった。うちには今生まれたばかりの赤ん坊がいて支配していると言えるのだろうけど、確かに世話でしかない。)世界征服を真剣にたくらむことは、世界征服の意味を探ることであり、それは世界を分解して「支配」や「悪」「正義」、さらには「豊かさ」や「幸せ」について考えることに繋がってゆく。




■ちなみに岡田斗司夫は激ヤセして別人のようになってます。


いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)
新潮社
岡田斗司夫(著)
発売日:2007-08-16