『常識「日本の論点」』日本の論点編集部・編/文春文庫 | 砂場

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『日本の論点』編集部
常識「日本の論点」


日本の様々な政治・社会問題のなかで答えがでずに延々と論じられている数々の問題。これらの論点について有識者が論じている本「日本の論点」は毎年発売されているのだが、値段が高いし分厚くて全部読める気がしないので、古本屋でみつけた本書を購入。だがよく見たら平成14年発行。4年前か。ちょっと古い気がするがこういった問題の論点自体はそう変わらないかと自分に言い聞かせて読む。

本書では39の事柄についての論点が書かれている。論点というよりは、過去にどういった論争がなされて現在にいたるかという現状認識といった内容で、明確な論点が提示されているものは少ないような気がする。読んだからといって本書に問題に対する答えがあるわけではない。本書では現状を認識して、これからの進むべき道筋を答えを考えるのは読者ということになる。

本書で論じられているのは以下の項目。

第1章 国のあり方をめぐる論争

資本主義は絶対の原理なのか
天皇はどんな役割を果たしているか
日本の領土はどこまでか
日本国憲法は押しつけか
自衛隊は軍隊なのか
安保条約は必要か
核武装はどこが悪いか
対中外交のスタンスはどうあるべきか
自民党一党支配はいつまでつづくか
宗教は政治に介入しているか
学校行事に国旗・国家は必要か
日本人はどこから来たのか

第2章 日本社会の制度をめぐる論争

成人は何歳からが妥当か
民意を反映する選挙制度とは
大きな政府か小さな政府か
官僚支配のどこが問題か
中央集権か地方分権か
首都機能移転は是か非か
消費税中心か所得税中心か
公的年金は破綻するか
日本的経営は時代遅れか
死刑制度は廃止すべきか
教科書検定は必要か
日本語文化をどう守るか

第3章 生き方をめぐる論争

日本社会の差別とか
何か言論の自由か人権侵害か
性別役割分担は性差別か
夫婦は同姓か別姓か
少子化は何が原因か
いじめはいつまでつづくか
管理教育か自由教育か

第4章 生命と環境をめぐる論争

脳死・臓器移植は日本に定着するか
安楽死は罪悪か
がん告知は必要か
世界の人口爆発を防げるか
地球環境はどこまで守れるか
人類は野生動物と共存できるか
原発をやめても電力はまかなえるか


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