『鴨川ホルモー』万城目学/産業編集センター | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

万城目 学
鴨川ホルモー


先日、とあるライヴを観に京都に行った。三条大橋から鴨川を見下ろすと、一定の距離をあけて座るカップルたちの姿がどこまでも続いていた。この本を読み終えたばかりなので、ちょっと嬉しい。大声で「ホルモー!!!」と叫んでやろうかと思ったが、もう僕もいい年なので止めておく。観光というイメージが強い京都だが、実際は大学が多くあり、若者で活気あふれる街だ。大学生活を描く青春小説の舞台とするには向いている。街に溢れかえる若者の熱気。盆地という蒸し暑さも加わって生まれる、京都特有の気だるさ。そんな街中流れる鴨川の上をときおり吹き抜ける爽やかな風。

本書は本の雑誌が選ぶ2006年上半期ベスト3位。その期待を裏切らない内容。読みやすい文体とインパクトのある設定、テンポのいいストーリー展開。金原ひとみの父親で翻訳家の金原瑞人氏も帯で絶賛していた。

このおもしろさ、このエネルギー!
並みの天才に書ける作品じゃない。

鬼や式神を使って、大学生が戦争ごっこ?
おいおい……などと思ってはいけない。
驚くほどあざやかな青春小説なのだ!
金原瑞人絶賛!
(帯より引用)

京都大学を舞台とした青春小説なのだが、主人公たちが所属するサークルが異常だ。「ホルモー」と呼ばれる対戦競技をするサークルなのだが、その試合方法は小鬼を操って戦わせるというもの。スポーツ(?)と恋愛を交えつつストーリーが展開するなど青春小説の王道とも言えるが、特筆すべきはその熱気だろう。全力で空回りするような、青春特有のバカっぽには愛すべきものがある。間の抜けた語り口調が脱力系の雰囲気をかもしだし、どうしようもない主人公をバカにしつつも応援してみたり、自分のバカさを重ねてみたり。

とにかく面白かった。これは本屋大賞に投票しようかと思う。ホルモー!