5月中旬発売の文庫 | 砂場

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本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

5月の文庫は全体的にちょっと弱いかな。売れる本はあっても本好きには物足りない。
上旬にはここで紹介したい文庫がなかったので、今月は中旬から。といっているうちに5月も終わるのか・・・。

著者: 文芸春秋
タイトル: 教科書でおぼえた名詩

僕の前に道はない…山のあなたの空とおく…春眠暁を覚えず…おごりの春のうつくしきかな…分け入っても分け入っても…あわれ花びらながれ…7月6日はサラダ記念日……。本書は昭和20年代から平成10年までの中学・高校の国語教科書1500余冊の中から、日本人なら一度は耳にしたことのある詩、漢詩、短歌、和歌、俳句250篇を精選した、まさに“国民的愛唱詩歌集”です。編集に際して、初版、直筆校本、全集等に遡り点検し、改行箇所、文字遣いを改めました。巻末に作者・題名索引、うろおぼえ索引を付記しています


これは一冊持っていてもいいかも知れない。詩や短歌などは、とっつきにくい印象で僕の苦手なジャンルだが、教科書に載っていたものなら少なからず見覚えがある。国語の授業で習ったときは、すごくつまらなく思えたのだが、こうして見ると印象がまったく違う。作者や題なんて覚えているはずもないので、巻末の「うろおぼえ索引」が重宝するだろう。



著者: 石田 衣良
タイトル: スローグッドバイ

「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え──(「スローグッドバイ」)など普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。


「いしだいら」の短編集。ちなみに僕の勤める書店では「恋愛小説文庫フェア」を開催中。自ら選んだ70点近い文庫を並べて悦に入っていたが、僕の悪筆で恋愛小説のPOPを書くとマイナスになるので苦戦。



著者: 天童 荒太
タイトル: あふれた愛

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか……。夫婦、親子、恋人たち。純粋であるがゆえにさまざまな苦しみを抱え、居場所を見失って、うまく生きていくことができない──そんな人々の魂に訪れる淡い希望を、やさしくつつみこむように描く四つの物語。天童荒太の本質がつまった珠玉の作品集。


天童荒太は寡作な作家だけに、どの本も完成度が高く魅力的だ。夫婦、親子、恋人など普遍的なテーマを扱い、幅広い読者層に支持されている。いつか読まねばと思いつつも、なかなかタイミングが合わない・・・。


著者: 嶽本 野ばら
タイトル: エミリー

〈この残酷な世界に生み落とされたのは、きっと貴方に出逢う為だったのですよね〉。少年と少女の困難で美しい生と性を描いて三島由紀夫賞候補となった表題作はじめ、アートとファッションへの美意識を核に咆哮する三つの愛の物語は、「うっとり読んでいると、破壊力抜群の言葉になぎ倒される」(解説より)。孤高の乙女魂と、永遠の思春期を抱くすべての人に放つ、珠玉の恋愛小説集。


嶽本野ばらのエッセイ「それいぬ」はかなり面白かった。だが小説となると、ちょっと二の足を踏んでしまう。こういう世界観についていけるのだろうかと思う。やはり男性にはつらいのではないかと……でも、嶽本野ばらは男か。むむむ。
本書は応募券がついていて、嶽本野ばらプロデュース「エミリー・キティ根付」が抽選で1000名に当たる。解説はなんと綿矢りさ!


関連書籍

著者: 嶽本 野ばら
タイトル: それいぬ―正しい乙女になるために