結いの地域共同体 地域社会資本 人間関係資本 コモンズ 共有財 シェアリングエコノミー
Whole world One household
お互いさまの社会 結いの生き方
農村社会では、自作農が共に汗を流し、お互いに労働の融通をしながら、田植えや稲刈りなどを協働でして来ました。みんなの心の貸借表の帳尻が、時間を経てみると、ピタリと収まるからこそ、今だにこうした素朴ではあるが、お互いの対価を相殺し合う、切実な人間的連帯感、人の結びつきが残っています。この地域共同体の相互扶助の精神を、「結(ゆ)い」と言います。この働き方で、蔵の建つ農家が生まれました。
個人でできないことは共同体で!この思想は、今のシェアリングエコノミー、クラウドマーケティング、SDGs(持続可能な開発目標)、ソーシャル・キャピタル(人間関係資本)の概念に符号します。私たちの暮らしの中には、お互いに分かち合い、助け合う風習が、無尽講など日本のいたるところに残っています。生活の知恵として、民間の内に育ってきた社会保障制度(セーフティネット)です。人間の勤勉さと信義がこれをクレジットします。
しかし、人間関係の煩わしさから、お金で済むことは、何でもお金で済ませるようになり、人々はバラバラに分断され、競争社会へと突入し、お金を優先する、決して人間らしい社会とは言い難い時代になってしまいました。
ルネサンス 心の回復
私たちは、閉息された管理社会に封じ込められ、精神的に無言の圧力をかけられ、いたたまれずに、辛い現実から目をそらし、この苛立ちに空しさを知り、疑うことをやめ、馴致してしまい、諦めることで、生活をエンジョイしているように思えます。負の生き方です。もっと個性的で、もっと創造的に、もっとシンプルに生きるためには、私たちひとり一人が、主となり、結いの生き方を学び直し、自らを解放しなければなりません。
人の中へ、自然の中へ!
如何に結び直すか?
ここに日本の文化がある。
(C) 平林登 @信州あづみの