何年前だか忘れたが、秋も深まったある晴れた昼下がり。
ベランダから取り入れたふとんにハチがとまっていた。
死んではないが動きが鈍く、飛んでいく気配もない。
すぐに『はっちゃん』と名づけ、
佃煮か何かが入っていた透明ケースに穴を開けてはっちゃんの部屋をつくった。
寒い冬をその部屋で越し、
ある春の日に、はっちゃんは飛び立っていったのである
。
当時ネットで調べる手段などなく、
死んだのではないかと、時々ストーブのそばに部屋をよせて確かめる。
するとはっちゃんはウゴウゴ動く。
生きてる
。
飲まず食わずで冬を越し、飛び立っていったハチ。
なんかいじらしいような、かっこいいような。
勝手に心が通ったつもりになって嬉しくて仕方なかった。
はっちゃん元気~?
(んなわけないか。天国やな今は。)
