むかし黒猫とマルチーズを飼っていた。
猫好きの私は、
友人のシャム猫の子供をもらった。
犬好きの父は、
知人のマルチーズの子供を同じ時期にもらってきた。
小さい頃から、転がりじゃれあって遊んでいた2匹。
大人になると、
マルがしっぽをふりふり黒猫を追っかけ、
かるく猫パンチであしらわれる。
というパターンになった。
ある日、目の前の公園に
大型犬が放された(当時は大らかな時代)。
父も呑気にうちのマルを放してしまった。
博愛主義のマルは大型犬に近寄る。
すると大型犬があま噛みしたのか、
マルが『キャン!』と叫んだ。
疾風のように駆けだしたのは、うちの黒猫である。
大きな犬に猫パンチをくらわせた。
大型犬も応戦する。
すると猫を守ろうと、
今度はマルが激しく吠えながら犬に向かっていった。
飼い主が大型犬をおさえて事なきを得たが、
父と私はあっけにとられてそれを見ていた。
一瞬の事だった。
酒を飲むたびに、
父は誇らしげにこの話をしたものである。
今でもこの2匹を思い出すと、
愛しい気持ちでいっぱいになる。
