真崎は自分の胃の小ささに少し驚いたが、全く焦ってはいなかった。
まだ開始から1時間も経っていない。
時間はたっぷりある。
それに私は、どんなに満腹になっても10~15分でまたお腹が空いてくる。
余裕だ。
そう思いながら6つ目を食べ終え、お腹が空くのを待った。
5分、10分、15分…
あれ?
20分、25分、30分…
空かない。
全く空かない。
いつもならとっくに「お腹が空いた」とTwitterに書いている頃だ。
ずっと満腹状態が続き危機を感じた真崎は、ふとお助けカードに目をやった。
お客さんもしくはやぶマネージャーに、3分間で食べれるだけ食べてもらえるお助けカード。
真崎はゴクリと息を飲む。
だめだ。
こんなところで助けてもらってはだめだ。
20個なんて余裕で食べれると断言したからには出来る限り自分で完食しなくては…!
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ。
真崎はとにかく、自らの力で食べ進めることにした。
とは言ってもお腹はまだ満腹状態。
なんとか美味しく食べる為に工夫を加える作戦に出た真崎は、お客さんから頂いたケチャップやマネージャーの私物であるピクルス、ポン酢やカレーパウダーを駆使してハンバーガーを口に運んだ。


途中苦しくなった時は更に工夫を加えた。
一口サイズにカットし爪楊枝を刺して、スナック感覚で食べた。

ゆっくりだが少しずつ着実に量を減らしていく。
時刻は深夜0時過ぎ。
このままのペースでいけば完食出来る。
そう思ったのも束の間。
8つ目を食べ終わった時、真崎の手は完全に止まってしまった。

苦しい。
すごく苦しい。
何でいつもみたいにすぐお腹が空かないの?
何でいつもみたいにすぐ消化してくれないの?
最後まで美味しく食べたい。
真崎は涙をぐっと堪えた。
そんな真崎を嘲笑うかのように、時間は刻一刻と過ぎていく。
続く。