20分弱
なんとなく気が気じゃなくて日暮れ、携帯を見たら18時過ぎてた。
(今から帰ってご飯食べて終電で帰ろう。)
あれ?
12月8日…おかんの誕生日かっ。
忘れてた。
地下鉄入り口から引き換えして近所のカフェでちょっとお高いケーキを何種類かチョイス。
で、また、地下鉄に戻る。
一時間後地元着。
珍しく父親一人で駅まで迎えに来てくれてた。
ぎこちなさを悟られないように、いつも通りのキャラで世間話。
おかんの誕生日に乾杯ワインして、家族でほろ酔い。
アタシは父親似なんやろう。
父はお酒でまぎらわせてストレスをためてるのが目に見えてわかる。
口では絶対に言わない。
(シラフではね
)夕飯を終えて、おかんは愛犬の夜の散歩に。
父親は相変わらず、ワイン一瓶あけて 焼酎で一人晩酌。
アタシは お水を飲んで、いつ話を切り出そうかタイミングをつかめずにいた。
と、父親の方から
「頑張るのはいいけど、無理したらあかんで。しんどかったらいつでも帰って来たらいいから。」
…うん。まだ大丈夫。…
「今、一人でしんどいやろ?会社ってのは、我慢しやなあかんときも、頑張らなあかんときもあるねん。
昔は、俺も、一発当てたろうって思ってた。
でもな、今は @kaneはまだわからんかも知れへんけどな、パパ、@kaneが出来て、妹ができて、守らなあかんものができたら、色々辛抱しやなあかんときがくるねん。
こいつどついたろかなとか、パパも何回も思ったけど、組織には立場があってこらえやなあかんねんな。」
…まさに悟られてる…
「パパな、言いにくい話やけど、昔の@kaneの事、いつもフと思いだすんよ。ほら、あの時の…」
…あぁ 覚えててくれたんや…
『そんなんあったな。涙出てきたわ(笑)』
「パパも涙でてきたわ(笑)」
「しんどくなったらいつでも帰ってきたらいい。」
『30なるまで待って』
わかった。あと、一年半やな。(笑)
父は酔ってた。明らかに酔ってた。
30までは好きにしたらいい。
一番顔を逢わすことも、真面目な話をすることがなかった父親が、一番アタシの今の心境をわかってくれてた。
『お風呂入ってくる。』
「おぅ」
…リビングから出て、もっかいリビングのドアちらっと開けた。
『パパ、ありがとうな』
「おっ」
…アタシも父親も顔はあわせずの言葉。
どうしても、ありがとうって言いたかった。…
お風呂につかりながら泣いた。
すぐに、おかんが帰ってきた音がした。
父親とアタシだけの、ほんの20分弱の会話。
酔わないと言えない性分の父親は、見てないアタシを一番見ててくれた。
アタシの両親は世界一やと思った。
ホンマにアタシはパパに似てる。
おかんも言ってた。
でも
アナタタチノ娘ニウマレテキテ アタシハ ホントニ カンシャシテマス。
父親は、アタシがお風呂から出ると、アタシが買ってきたケーキ、呑みかけの焼酎を こたつに並べたまんま寝ちゃってた。
…ケーキなんか食べへん癖に…


