Marcoが入院して直ぐチームの関係者から連絡があった。

チームにはMarcoの医療費を支払うお金が無いので

義援金を募ります。

はぁ?

義援金?

まあチームが決めた事なので何も言わなかった。

後にこの義援金が考えられない状況に使われる事になり

問題を起こす事になるとは想像すらできなかった。


Marcoは20日間の入院生活を終える事になる。

退院の前日Javierは車の中で言った。

終わった・・・サムエルは深くため息をついた。

うん。終わったね。


Marcoの退院後はリハビリに専念する。

当然Marcoには私が同伴する。

Marcoの右足は明らかに筋肉が減っているのが分かる。

Marcoも筋肉が減っている事にとても驚いていた。

退院後の初めての診察で膝に水が溜まっている事が分かった。

大きな注射器に4本抜いた。

とても痛がるMarco⋯

我慢してね・・・

傷跡もまだまだ治らない。

松葉杖での生活は続く。


Marcoは次のレースの応援だけでも行きたいと言い出した。

ダメ⋯絶対にダメ。

長時間の車の移動は不可能である。

Dr.ストップ。。。

当然でしょう。

退院して4日後ですから。。。


Javierは今回も一人で行く。

しかしJavierの調子は上がらない。

Javierの体調やメンタルは限界を超えていた。

この時すでにJavierは過剰なストレスで口内炎ができていた。


次のレースへ参加するJavierを見送りたくて・・・

リハビリの日と重なった。

病院から急いでシェアハウスへ帰った。

こんな日に限って遅くなる。

チームカーで待っていてくれた。

Javierといつものハグをして⋯

気をつけてね。。。

また涙が溢れる。

泣かないで⋯

ゴメンね⋯

行ってらっしゃい⋯

大丈夫だから心配しないで⋯OK?

OK…

Marcoと一緒にJavierを見送る・・・

無事で帰って来ます様に。。。

私には祈る事しか出来なかった。

涙が止まらない。


Javierは私に言いました。

あなたのためにレースへ行きます。

あなたのために走るよ。


本当に辛い。。。

苦しい。。。

Marco、Javier。

絶対に守るからね。。。


MarcoとJavier・・・

最悪の状況から最悪の事故・・・

本当に辛い日々だった。

病院からの帰り道車で毎日泣いた。

しかし彼らは乗り越えた。

まだまだこれから・・・

やらなければならない事はたくさんある。

また彼らと乗り越えなければならない。


MarcoとJavierの笑顔にはとても助けられる。

頑張ろうね‼️


Marcoはローラーでトレーニングを始めていた⋯片足で。。。

やるよね。。。

マルコムは焦っていた訳ではない。

彼はプロロードレーサー・・・

彼は分かっていた。

これもリハビリ・・・必要だと分かっていた。


Javierは私を安心させようとメールで近況を連絡してくれる。

彼の優しさがとても嬉しい。


Good night⋯

Good morning⋯

これだけで伝わる。


レース当日Javierからメールが⋯

ウォーミングアップをしたいのにローラーが1台しか無いよ!!

選手は4人いるんだよ!!

Javierは激怒していた。

レース前のウォーミングアップはとても大切で自分のコンディションと

心拍を把握してスタートまで良い状態にしていかなければならない。

この状況ですでにモチベーションは下がる。

良いパフォーマンスが出せる訳はない。


同じ時Marcoは楽しそうにローラーでトレーニングしていた。

さーちゃーん‼️ローラーでトレーニングしてるよ‼️

とても楽しそうにMarcoがメールして来た。

何?!

このタイミング・・・


レース前Javierにいつものメールを送る。

be careful. Good luck. My heart is always by your side.

気をつけてね。幸運を⋯

私の心はいつもあなたのそばにあります。。。

Thank you.


やはりJavierの調子は悪い。

レース後彼は始めて強い口調でメールをしてきた。

私に楯突くなど今まで有り得ない。

彼の気持ちがとても分かる。

長時間の移動がJavierの体調やメンタルまで崩してしまっている。

それに加えて様々なトラブル。

こんな状況で彼が良いレースができるはずはない。


レース後Javierにメールする・・・

Javier食べてるの?!

これ食べてるよ⋯

写メにはサラダとパンと彼のシューズが写っていた。

Javier⋯シューズは食べないでね。

Nonono 食べないよ。。。


あなたは疲れているから休む必要があります。

たくさんの問題が起こって疲れています。

だから休んで欲しい。


分かったよ。

Javierも当然分かっている。。。


何時になってもいいから帰ったら連絡してね。

安心するからね。


真夜中Javierは帰って来た。


つづく⋯