誘う方法。
信吾のことは本気になれない、と思いつつも弥生はいつも信吾がいちばん好きだった。この2年、弥生が自分のマンションに入れたことがあるのは信吾だけだ。もちろん信吾はそんなことは知らないだろうけど。知らなくていい、と思うのは自分の気持ちが信吾にあると思われるのがしゃくだからか、それとも重い女だと思われて、信吾が去っていくのが怖いからなのか、どちらかは自分でもわからなくなっていた。
信吾の20代最後の誕生日は日曜日。私も信吾も休みだ。一緒にいれたらいいのに。
弥生は迷いに迷って、何度も書き直して、そっけないメールを送った。
「日曜休み?ヒマなら食事でも行かない?」
誕生日だよね?なんて、言えない。
信吾の20代最後の誕生日は日曜日。私も信吾も休みだ。一緒にいれたらいいのに。
弥生は迷いに迷って、何度も書き直して、そっけないメールを送った。
「日曜休み?ヒマなら食事でも行かない?」
誕生日だよね?なんて、言えない。