井上の方が長身なのはわかっていたが対峙すると想像以上に差がある。
初回はサウスポー井上の右アッパーが制す。細川は入りにくそう。井上がアッパーで細川を止めるのは想像出来たが右ではなく、左アッパーを予想していた。
2ラウンド、細川の右がよく当たる。これは細川の踏み込みが速くなったと言うよりも井上が右アッパーを狙う為、距離が近くなったからだと想像する。
3ラウンド以降、細川の前進と右が上回る。井上は右ジャブが出ない。
中間採点は48―47×3で井上。
そうかなぁ?
会場ではかなり不満の声がテレビ画面越しにも聞こえる。井上に振れるのは1と5ラウンドだけだと思うが。
6ラウンド以降も細川の前進が目立つ。井上は右ジャブと足を使えば捌けそうに思うがそうしない。
ただし、狙い過ぎているのか細川の手が出なくなった。これは中間採点で負けていた影響がある様に思う。
7ラウンドから井上の左ストレートがよく当たる様になる。細川は手数が少ない上に単発。ずるずるラウンドを重ねる。
そのまま大きく展開が変わらないまま試合終了。判定はユナニマスで井上。
好カードが名勝負になるとは限らない典型的な試合になってしまった。井上は右リードが少な過ぎた。細川は6ラウンド以降、狙い過ぎ。両者共に単発。多くてコンビネーションは3発。
そして中間採点がこの試合の明暗を分けた様に思う。10ラウンドを通して見れば井上の勝ちは妥当。しかし、中間採点は大いに疑問。その採点が細川の動きを狂わし、試合をつまらなくした様に感じる。
井上にはもう1人の角海老のSライト級、岡田との国内頂上決戦を期待したい。