http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150206-00000500-fsi-bus_all





 マック、世界中で客離れ…
 創業以来のビジネスモデルに限界
 「市場環境の変化に対応できず」


 SankeiBiz  2月6日(金)7時12分配信


マック、世界中で客離れ…
(写真:フジサンケイビジネスアイ)


 通期の連結営業損益が41年ぶりの赤字に沈んだ日本マクドナルドホールディングス(HD)。傷口を広げたのは中国産の期限切れ鶏肉問題だが、客離れは世界中のマックで進む。
全世界に同一商品を投入する創業以来のビジネスモデルでは柔軟性に欠け、各国で着々と築かれる「マック包囲網」に、スピーディーに対抗できなくなっているからだ。苦境を脱するには、事業構造の抜本的な改革が求められるが、ハードルは高い。

 「信頼回復を進めると同時に、創業の原点に戻って、客とつながる『モダンバーガーレストラン』を目指す。メニュー、価格、店舗体験の3つを重視していきたい」。
5日の決算会見で、サラ・カサノバ社長はこう述べ、国内の挽回に向けた決意を述べた。

 ただ、業績悪化は日本だけでない。米マクドナルドによると、2014年の「世界の既存店売上高」は前年比1.0%減と、02年以来、12年ぶりのマイナス。地域別の14年10~12月期の営業利益は、アジア太平洋(中東・アフリカ含む)が44%減、米国が15%減、欧州が14%減だった。

 この背景について、日本経済大経営学部の西村尚純教授は「コストを抑えるため世界で大量に食材を仕入れ、同じメニューを安く投入するモデルでは、競合が次々と打ち出す戦略や、消費傾向の変化に対応できなくなっている」と指摘する。

 米国では、新興の高級バーガーチェーンがトランス脂肪酸を使わないフライドポテトなどで「健康志向」を効果的にアピールし、若い客を奪う。既存のバーガーチェーンや、スーパーなどの他業態も、食品メニューを強化している。

 日本でも、バーガーチェーンや牛丼店など、強力な外食は多種多様。他業態のコンビニエンスストアがコーヒーや軽食に注力し、全国に5万店という巨大な店舗網で脅威となっている。

 こうした状況を打開するには
「各地域の市場環境や消費の志向に応じた商品開発を強化する必要がある」

(法政大大学院の小川孔輔教授)との声が上がる。

 すでに米マックは、来店客が好きな具材を選べるオーダーメードのハンバーガーを、15年末までに全米2000店で提供する方針を表明。

 日本もカサノバ社長が同日の会見で、
「客が食材の組み合わせを楽しめる新メニュー」
「日本独自の季節感や地域性などをいかした、日本人の嗜好(しこう)に合う新メニュー」
などの開発を打ち出した。

 ただ、日本経済大の西村氏は「小手先の改革に終われば何も変わらず、マックは危機的な状況に立たされる」と警告する。とくに日本の場合、1月の既存店売上高が4割減まで落ち込み、「消費者からはっきりノーを突きつけられている」(西村氏)。

現在の、金太郎飴のようにどこを切っても同じという画一的な経営体制から、より機動的に地域ごとの商品力を強化するには、「組織体制を大きく変え、国ごとの権限を強化するなどの『解体的出直し』が必要」(同)。
だが、今の体制では、改革も世界規模で意思統一しながら取り組む必要があり、時間がかかる。市場環境の変化についていきながら再生の道を確実に歩めるのか、課題は大きい。

  (山口暢彦)






  最終更新:2月6日(金)10時32分
   SankeiBiz








http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150205-00000000-fsi-bus_all






 マック41年ぶり営業赤字
 今期業績予想、異物混入で示せず


SankeiBiz  2月6日(金)8時15分配信

マック41年ぶり営業赤字
(写真:フジサンケイビジネスアイ)



 日本マクドナルドホールディングス(HD)が5日発表した2014年12月期連結決算は、調達先の中国企業が使用期限切れ鶏肉を使用したことによる客離れで、本業のもうけを示す営業損益が67億円の赤字(前期は115億円の黒字)となった。
赤字転落は41年ぶり。今年に入り異物混入問題で販売が一段と落ち込んだため、15年12月期の業績見通しは「未定」とした。
同日の会見で、サラ・カサノバ社長は、「お客さまに多大なご迷惑をかけた」と、異物混入問題で、初めて公の場で謝罪した。

 14年12月期は、売上高が前期比14.6%減の2223億円、最終損益は218億円の赤字(同51億円の黒字)。最終赤字も11年ぶりだ。同時に発表された今年1月の既存店売上高は、前年同月比38.6%減と、過去最大の落ち込みを記録。
ポテトに“人の歯”などの異物混入が相次いだ問題の「経営への影響を合理的に見積もれないため」(今村朗執行役員)、今期の通期業績予想を未定とした。

 カサノバ社長は東京証券取引所で開いた会見で、1月の販売落ち込みは「お客さまからの厳しい評価と痛感する」と語り、「信頼を取り戻すことが、経営トップとしての最優先課題だ」と、対策を本格化させる考えを示した。

 しかし、問題発覚から、同日の決算記者会見まで、経営トップによる会見を開かなかったのは、昨年の鶏肉問題の時と同じ対応。
食の安全に敏感な消費者に対して、極めて不誠実とみられかねず、信頼回復の道のりは険しい。







  最終更新:2月6日(金)8時15分

   SankeiBiz