http://www.excite.co.jp/News/column_g/20100907/Cobs_jt_201009_2_3.html
【ビジネス】
現在のコンビニは「行動心理学」を
徹底的に応用したお店。
―コンビニの科学第2回―
マイナビニュース
2010年9月7日 20時46分(2010年9月24日 09時44分 更新)
皆さんは普段何気なく、コンビニに寄りお昼ご飯を買ったり、夜ご飯を買ったりしている動きが、実はコンビニ側 (店舗経営側) から行動が誘導されているって知っていましたか?
突然、このようなことを聞かされると、不愉快な思いをされるかもしれませんね。 「催眠術か?」、 「洗脳か?」 と不安にさせてしまったかもしれません。
現在日本に存在しているコンビニは人間の 「行動心理学」 を徹底的に応用した店舗構成となっています。 これを始めたのがコンビニ最大手セブンイレブン!
人はお店に入ってからどのような動きをするのか?
どのような基準で商品を選ぶのか?
どうすれば商品を買いたくなるのだろうか? 等
コンビニ側がどのように準備をすればお客さまは意識することなく商品を購入するのかということを考え、具体的に店舗内レイアウトや品ぞろえを展開しているのです。
大きな事象を2点お伝えいたしましょう。
■エンドの効果
店内に入ると最初に見える売場を 「エンド」 と呼びます。 お客さまが最初に見る売り場です。
エンドゴンドラは 「情報の発信」 という役割があります。
今、お店が売りたいと思っている商品、キャンペーン、伝えたいメッセージなどを商品の陳列展開という形を通して来店客へ情報発信しています。
たとえばその週に発売された新規商品が陳列されていたり、今日現在実施しているキャンペーンの説明などが行われています。
人間はお店に入ってから4メートル歩かないと消費行動に移れないと言われています。 お店に入ってからしばらくの間に消費行動に関する情報収集を行っているのです。
情報収集を行っている間は消費行動は起こりませんが、この時期にお客さまに向けて効果的な情報発信ができると、お客さまの消費欲求は高まるのです。
コンビニでは、エンドに情報発信の仕かけをしておき、お客さまの潜在意識に 「これが、今日のオススメですよー」 と、情報を植えつけているのです。 そうすると、お客さまは店内を歩きながら、「今日は何を買おうかな」 と何気なく商品を見ているときに、エンドゴンドラで確認した情報が頭に浮かんできます。
「あっ!そういえば、コレが新商品だったな」 と情報の再確認ができ、購入意欲が沸くのです。
エンドゴンドラで陳列している商品自体はほとんど売れません。
しかし、このゴンドラで効果的な商品情報の発信ができると、お客さまは 「この店はいつも新しい商品がある。 何か面白いことやってんじゃないか?」 という心理的な効果を与えることができるのです。
エンドゴンドラと同じようにコンビニで最初に目が行く場所に 「雑誌売場」 があります。
雑誌売場も、「立ち読み客を、夏の外灯 (誘蛾灯=電撃殺虫器) に集まる虫たちのように、他のお客さまを外から呼び込む役割」、「お客さまが情報を確認する場」 の意味があります。
■店内レイアウトの工夫
次は、店内のレイアウトの工夫です。
夜ご飯を買いに、皆さんがコンビニに入ったとき、どのように動いているでしょう?
入り口を入ってからの動きを思い出してみましょう。
・雑誌売場に行き、立ち読みをしながら、雑誌を物色。
・ドリンク売場に移動しお茶・お水を購入。
・デザートを購入。
・明日のパンを購入
・弁当、おにぎりを購入。
・レジカウンターに移動し、レジ精算。
・ふと、気になったお菓子をついでに購入。
大半の方がこのような動きをしていませんか? お客さまのこのような動きを実はコンビニは意識的に狙っているのです。
売上を上げたいと考えると、客数か客単価を上げる必要が出てきます。 客単価を上げるためには、一品でも多く購入してもらう必要があります。 一品でも多く商品を買ってもらうためには、店内に入ったお客さまを一歩でも二歩でも多く店内を歩いてもらう必要が出てきます。
そのために、お客さまがよく買う商品 (回転数の高い商品) を店内の端に陳列しているのです。
また、お客さまの歩く距離 (客動線) を長くするために、店内の端・端に商品回転率の高い商品を陳列するのです。
お客さまがたくさん歩けば歩くほど、さらに商品を買ってくれる可能性が高まりますからね。 何気なく商品が並んでいるように見えますが、コンビニのお店づくりには、細かい仕掛けと狙いがあるのです。 お客さまに、いかにしてたくさんの商品をかってもらうか? を日々考え続け変化対応をしマニュアル化し続けた結果ですね。
※この記事は、2008年07月30日~2009年12月18日まで日経ビジネスAssocieにて、連載していたものを加筆・修正し掲載しています。
●筆者プロフィール
笠井 清志(かさい・きよし)
船井総合研究所 戦略プロジェクト本部 次長 シニアコンサルタント。
1974年大阪府生まれ。複数の企業にてキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。
コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。 クライアント先である 「NEWDAYS」 の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。
月刊コンビニ (商業界) にて連載を持つほか、著書に 『コンビニのしくみ』 (同文館出版) や 『よくわかるこれからのスーパーバイザー』 (どちらも同文館出版) がある。
2010年9月7日 20時46分(2010年9月24日 09時44分 更新)
皆さんは普段何気なく、コンビニに寄りお昼ご飯を買ったり、夜ご飯を買ったりしている動きが、実はコンビニ側 (店舗経営側) から行動が誘導されているって知っていましたか?
突然、このようなことを聞かされると、不愉快な思いをされるかもしれませんね。 「催眠術か?」、 「洗脳か?」 と不安にさせてしまったかもしれません。
現在日本に存在しているコンビニは人間の 「行動心理学」 を徹底的に応用した店舗構成となっています。 これを始めたのがコンビニ最大手セブンイレブン!
人はお店に入ってからどのような動きをするのか?
どのような基準で商品を選ぶのか?
どうすれば商品を買いたくなるのだろうか? 等
コンビニ側がどのように準備をすればお客さまは意識することなく商品を購入するのかということを考え、具体的に店舗内レイアウトや品ぞろえを展開しているのです。
大きな事象を2点お伝えいたしましょう。
■エンドの効果
店内に入ると最初に見える売場を 「エンド」 と呼びます。 お客さまが最初に見る売り場です。
エンドゴンドラは 「情報の発信」 という役割があります。
今、お店が売りたいと思っている商品、キャンペーン、伝えたいメッセージなどを商品の陳列展開という形を通して来店客へ情報発信しています。
たとえばその週に発売された新規商品が陳列されていたり、今日現在実施しているキャンペーンの説明などが行われています。
人間はお店に入ってから4メートル歩かないと消費行動に移れないと言われています。 お店に入ってからしばらくの間に消費行動に関する情報収集を行っているのです。
情報収集を行っている間は消費行動は起こりませんが、この時期にお客さまに向けて効果的な情報発信ができると、お客さまの消費欲求は高まるのです。
コンビニでは、エンドに情報発信の仕かけをしておき、お客さまの潜在意識に 「これが、今日のオススメですよー」 と、情報を植えつけているのです。 そうすると、お客さまは店内を歩きながら、「今日は何を買おうかな」 と何気なく商品を見ているときに、エンドゴンドラで確認した情報が頭に浮かんできます。
「あっ!そういえば、コレが新商品だったな」 と情報の再確認ができ、購入意欲が沸くのです。
エンドゴンドラで陳列している商品自体はほとんど売れません。
しかし、このゴンドラで効果的な商品情報の発信ができると、お客さまは 「この店はいつも新しい商品がある。 何か面白いことやってんじゃないか?」 という心理的な効果を与えることができるのです。
エンドゴンドラと同じようにコンビニで最初に目が行く場所に 「雑誌売場」 があります。
雑誌売場も、「立ち読み客を、夏の外灯 (誘蛾灯=電撃殺虫器) に集まる虫たちのように、他のお客さまを外から呼び込む役割」、「お客さまが情報を確認する場」 の意味があります。
■店内レイアウトの工夫
次は、店内のレイアウトの工夫です。
夜ご飯を買いに、皆さんがコンビニに入ったとき、どのように動いているでしょう?
入り口を入ってからの動きを思い出してみましょう。
・雑誌売場に行き、立ち読みをしながら、雑誌を物色。
・ドリンク売場に移動しお茶・お水を購入。
・デザートを購入。
・明日のパンを購入
・弁当、おにぎりを購入。
・レジカウンターに移動し、レジ精算。
・ふと、気になったお菓子をついでに購入。
大半の方がこのような動きをしていませんか? お客さまのこのような動きを実はコンビニは意識的に狙っているのです。
売上を上げたいと考えると、客数か客単価を上げる必要が出てきます。 客単価を上げるためには、一品でも多く購入してもらう必要があります。 一品でも多く商品を買ってもらうためには、店内に入ったお客さまを一歩でも二歩でも多く店内を歩いてもらう必要が出てきます。
そのために、お客さまがよく買う商品 (回転数の高い商品) を店内の端に陳列しているのです。
また、お客さまの歩く距離 (客動線) を長くするために、店内の端・端に商品回転率の高い商品を陳列するのです。
お客さまがたくさん歩けば歩くほど、さらに商品を買ってくれる可能性が高まりますからね。 何気なく商品が並んでいるように見えますが、コンビニのお店づくりには、細かい仕掛けと狙いがあるのです。 お客さまに、いかにしてたくさんの商品をかってもらうか? を日々考え続け変化対応をしマニュアル化し続けた結果ですね。
※この記事は、2008年07月30日~2009年12月18日まで日経ビジネスAssocieにて、連載していたものを加筆・修正し掲載しています。
●筆者プロフィール
笠井 清志(かさい・きよし)
船井総合研究所 戦略プロジェクト本部 次長 シニアコンサルタント。
1974年大阪府生まれ。複数の企業にてキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。
コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。 クライアント先である 「NEWDAYS」 の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。
月刊コンビニ (商業界) にて連載を持つほか、著書に 『コンビニのしくみ』 (同文館出版) や 『よくわかるこれからのスーパーバイザー』 (どちらも同文館出版) がある。
コンビニのしくみ [ 笠井清志 ]
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図解よくわかるこれからのスーパーバイザー [ 笠井清志 ]
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