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あなたは一日何回お財布を
開きますか意外に重要な
”財布の見直し”
ダイヤモンド・ザイ
2012年12月14日(金)16時36分配信
「貯まる財布」になっていますか?【イラスト/斎藤ひろこ】
毎年、年内に使い古したものを買い換え、すがすがしい気持ちで新年を迎えたいという人も多いのではないでしょうか。財布も、年初めに新調したいものの一つではないかと思います。財布は、節約や貯蓄を考える上でカギとなるアイテム。財布を見れば、持ち主のお金の使い方や、性格の一端までもが垣間見えます。今、お金の貯まらないダメ財布を使っている人は、年内にリセットし、財布を新調、もしくは改造するのもおすすめです。今回は、そんな「貯まる財布」をテーマにお話ししていきましょう。
● 中身がパンパンの”ブタ財布”だと、
いつまでたってもお金が貯まらない
風水によると、財布は「金運」を左右する重要なアイテムだそうです。実際、財布の使い方次第でお金が貯まったり、貯まらなかったりもするので、風水ならずとも、財布の見直しは重要といえるでしょう。
真っ先に見直していただきたいのは、財布がレシートやポイントカードなどで膨れ上がり、パンパンになっている人です。中身がギュウギュウに詰まってずんぐりした財布のことを、私は「ブタ財布」と呼んでいるのですが、"ブタ財布の人はお金が貯まらない"というのが私の中での鉄則です。
実際、家計相談に来た方のお財布がちらりと見えることがありますが、お金の問題児さんの財布は、丸々太っていることが多いもの。
本人にとってはそれなりに秩序があるのかもしれませんが、札入れがレシートだらけだと自然に手元の残金が見えにくくなり、ムダにATMに行く回数が増えるかもしれません。また、いかにおトクなポイントを貯めていても、中身がいっぱいではポイントカードを見つけられず、途中で挫折する危険性も出てきます。
このように、ブタ財布にはあらゆるムダを助長する罠がたくさん潜んでいるのです。体と同じく、財布もスリムなほうが快適といえるでしょう。
少し話はそれますが、以前収納とか片づけに詳しい人と話をしていたとき、家がゴミ屋敷並みに汚い人は、冷蔵庫の中も汚いし、カバンの中も、財布の中も汚いのだ……という話を聞いたことがあります。それはたしかにそうなのでしょう。家がゴミ屋敷なのに、冷蔵庫の中だけキレイだったり、財布の中身だけ整頓されていたりするというのは考えづらいことですから。
でも、片づけ始めるときに、家全体からではなく、財布や冷蔵庫、カバンといった狭い場所から徐々に片づけていくと、これまで片づけ下手だった人がうまく片づけられるようになることが多いのだそうです。
これと同じことが、お金の管理についてもいえる気がします。財布の中身というのは、その人の持つお金全体の末端部分かもしれません。でも、この末端部分を整理したり、使い方を考え直したりするだけで、お金の管理が意外とスムーズに行くことはよくあります。
ブタ財布は、いってみればずさんなお金管理の象徴。意識改革をする始めの一歩として、財布の整理をしてみることは理にかなっているでしょう。
● あなたは1日に
何回財布を開いていますか?
財布の整理の仕方については、繰り返しになりますが"中身をつめこみすぎない"ことに尽きます。つめこみすぎると、財布自体の形が変形しやすく、劣化のスピードが速くなるという難点もあります。
私自身、いまは多少高価な財布を使っていますが、劣化したらもったいないので、毎晩小銭を空にし、空いたペットボトルやインスタントコーヒーの空きビンなどに入れて小銭貯金しています。もちろん、レシートや領収書も出してしまいます。
小銭をつめこまないだけで、かなり財布の変形を防げていると思いますし、確実に小銭も貯まっていきます。小銭貯金は貯まっていく過程がしっかり見えるとモチベーションUPにつながるので、透明の容器に貯めるのがおすすめです。
続いて財布の使い方ですが、これも意外と簡単にできることがあります。まず、どなたにもやってみていただきたいのは、1日のうちに財布を開く回数を意識すること。
みなさんは、自分が毎日何回くらい財布を開いているか、意識したことがありますか? 当然ながら、意識なく何度も何度も開いている人は、浪費の危険性が高くなります。逆に「なるべく回数を減らす!」と意識すると、自然にムダ使いも減らせるのです。
私の場合は、"1日2回"がいつものリズム。昼食のときと、夜帰宅する前の2回が基本です。朝は基本お金を使わないと決めているので、缶コーヒーなどはあまり買いません。ただ、忙しくて朝ごはんを外で買う日が続くと、"1日3回"となってしまい、「このままではいけない……」と小さく反省することも。そして、何とかして元のリズムに戻すよう努めます。
別に、私と同じように2回である必要はありませんが、自分の生活に合わせて財布を開くリズムも決めておくと、リズムを乱した動きをしたときに「あ、いつもよりお金を使っちゃった。まずい」と思うはずです。
そうなると、無意識のときと違って意識的にお金を使うことができるようになり、ムダをしないように意識できるようにもなるわけです。そのためにも、消費のリズム作りをすることは重要といえるでしょう。
いまお話ししたのは、一日単位の財布の使い方ですが、週単位でも取り入れていただきたいことはあります。
まず、予算は週に一度曜日を決めて、財布に入れるようにする。月に一度だと、月末にやりくりが厳しくなる可能性があるため、なるべく週単位で分けて管理すべきでしょう。これは、すでに実践している方が多いかもしれません。曜日はいつでもいいですが、できれば週のアタマの月曜日にしておくと、キリよく、わかりやすくてよいと思います。
そして、前回もお話ししたことですが、週の半ばに一度、残高を確認する日を作りましょう。その時点で浪費してしまっているときは、予算を守れるように気を引き締めるべきですが、それでも予算を守れなかったら、貯金から下ろすのではなく、次週の予算から前借する仕組みにします。
そうすると、もちろん次週のやりくりはきつくなるが、こういうことを繰り返していくことで、適正なお金の使い方(=自分に合った消費のリズム)が身についていくからです。
● 「浪費財布」を作り、ちょっとした贅沢で
浪費心を満足させよう
とはいえ、いくら消費のリズムを決めても、時々無性にお金を使いたくなることはありませんか? 私はあります。
ボーナスなどのまとまったお金が入ったときや、休日にリラックスして街をぶらついているとき、もしくはストレスが貯まったときなど……シチュエーションはさまざまでしょうが、ともかく人はときとして無計画にお金を使ってしまうことがあります。頻繁だといただけませんが、時々であれば、ガス抜きとしてそんなことがあってもいいでしょう。
ですが、一番素晴らしいのは、そんなガス抜きの浪費ですら、計画的に行なうことです。そのためにおすすめしたいのが、「浪費財布」を持つこと。断っておきますが、この浪費財布は何万円もの高額の浪費用ではありません。普段は入らないようなカフェでちょっと高いケーキを食べたり、発泡酒ではなくビールのロング缶を買ったり……程度の、少額の浪費(に準ずるお楽しみ用のお金)を想定したものです。
その浪費財布のお金は、ズバリ小銭貯金で作ります。小銭貯金の方法については前述の通りですが、毎日小銭を貯めるのが難しければ3日に1度でもいいですし、よくある500円玉貯金などでもいいでしょう。500円はなかなか集まらないので「100円以上貯金」をしていた人も知っていますが、それもまたおすすめの方法です。小銭貯金がある程度貯まったら、普段の財布とは別の財布(あるいはポーチでも何でも構いません)に移してください。
私の場合は、浪費財布で普段買わないスタバのコーヒーや、ジュースを買うことがたまにあります。普段我慢していることをすると、小さいことでも贅沢感でいっぱいになれるんですよね。
「小さすぎる」「みみっちい」と思われるかもしれませんが、それは普段我慢をしたことのない方の発想だと思います。そういう人は一度、財布を開く回数を減らし、浪費を我慢してみてください。そして、ガス抜き的に小さな浪費をたまにする。それだけでも、人の浪費心は案外満足するものなんですよ。
来年からは、普通の財布に加え、おまけの浪費財布、作ってみてください。
横山光昭 (構成/元山夏香)
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最終更新:2012年12月14日(金)16時36分